フランスは、Teslaの運転支援システム「Full Self-Driving(FSD)Supervised」を従来のままでは支持できないとしていた立場から、公道試験による検証へと進んだ。ただし、これはフランスの一般ユーザーにFSDの使用を認める判断ではない。Teslaとオランダの認可プロセスから示された安全性データを、フランスの道路条件で確かめ、EUレベルで想定される判断に備えるための試験である。
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試験の対象はTesla 2台
TeslaはFSD搭載車2台をフランス当局に提供した。当局は公道での試験を通じて、この先進運転支援システムを評価し、Tesla側の安全データと、オランダでの評価結果を精査する。
ここでいうFSDは、常時監視を前提とする運転支援である。システムは操舵、加速、制動などを担うことができる一方、運転者が道路を継続して監視し、必要時に直ちに介入する責任を負う。無人で走行できる完全自動運転を認めるものではない。
フランスが問題視していた安全面
フランスのフィリップ・タバロ運輸相は7月、当時のFSDは安全性とのトレードオフが承認に足る水準ではないとして、EUでの利用承認に反対する考えを示した。特に懸念として挙げたのは、制限速度への対応と、運転者の注意を維持させる警告・監視の仕組みだった。
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そのため今回の焦点は、「システムが走れるか」だけではない。フランスの道路で、速度管理とドライバーの関与を求める安全措置が十分に機能するか、欧州の基準に適合できるかを確認することにある。
- 速度管理:制限速度を適切に守り、危険な速度超過を助長・許容しない設計になっているか。
- ドライバー監視:警告などの仕組みにより、運転者が運転に関与し続け、いつでも操作を引き継げる状態に保たれるか。
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フランス当局は、プログラムを調整すれば欧州の運転環境やEU・国際規則に適応するうえで大きな障害はないように見えるとしている。ただし、これは試験で実証されることが前提だ。
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オランダの暫定承認が開いたEUへのルート
オランダの車両当局RDWは、18カ月超に及ぶ試験と分析を経て、4月に欧州で初めてFSD Supervisedを暫定承認した。これによりオランダ国内での使用が可能になり、EUレベルで検討するための手続き上の道筋も生まれた。
ロイターによると、その後、ベルギー、デンマーク、エストニア、リトアニアも暫定的な国内承認を行った。ただし、これらはEUの全加盟国で自動的に合法化する決定ではなく、あくまで各国レベルの先例である。
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Teslaは、既存の欧州車両規則がこの種の技術を明確に想定していないとして、特例の枠組みで承認を求めている。この手続きでは、1国での暫定承認を起点に、より広いEUでの受容を申請できる。
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EU全域の承認に必要な条件と見通し
EU全域での承認には、EU27加盟国のうち少なくとも15カ国、かつEU人口の少なくとも65%を代表する国々による「特定多数」の支持が必要になる。複数国の国内承認を得るだけでは足りない。
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ロイターは、投票が早ければ2026年10月6日に実施される可能性があると報じた。ただしこれは確定日ではなく、実際の時期と結論は規制手続きの進行と加盟国の支持に左右される。
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フランスの試験結果が持つ意味
フランスは、EU全域への展開に公然と異議を示した主要国だった。そのため、試験で速度管理、運転者の注意維持、欧州要件との整合性に関する懸念が解消されれば、広域承認への大きな障壁が一つ下がる可能性がある。反対に未解決の安全問題が確認されれば、フランスは追加条件を求める、あるいは承認に反対する可能性がある。
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利用者にとって重要なのは、EUでより広い承認に至った場合でも、FSD Supervisedは継続的な人間の監視を必要とする運転支援である点だ。ドライバー不在での走行を認める制度ではない。