Crusoe(クルーソー)は、AI計算能力の争奪戦で大きな追い風を受ける企業の一つとなっている。ブルームバーグ報道を引用したロイターによると、同社は30億ドル超を調達し、ポストマネー評価額は約300億ドルに達した。ポストマネーとは、今回新たに調達した資金を含む企業価値を指す。
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評価額は前年からおよそ3倍
今回報じられたラウンドの調達額は30億ドル超、評価額は約300億ドル。
1 Crusoeは2025年、13億8,000万ドルを調達した際には評価額が100億ドル超だった。最新の評価額は、前回ラウンドの約3倍に当たる。
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投資家が評価しているのはAIソフトウェアそのものだけではない。AIの学習や推論を動かすには、電力、データセンター用地、GPU(AI処理に使う高性能半導体)を押さえ、それらを実際に稼働可能な計算資源として提供する力が必要になる。Crusoeの急成長は、こうした供給能力の希少性を映している。
暗号資産からAI「ネオクラウド」へ
Crusoeは2018年に暗号資産事業として立ち上がり、その後AIインフラの構築へ軸足を移した。現在は、汎用クラウド大手とは異なり、AI向けのクラウドサービスとデータセンターに特化する新興事業者、いわゆるネオクラウドの一角に位置付けられている。
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この事業モデルの中心にあるのは、AIモデルの学習・推論に必要な計算基盤の供給だ。ブルームバーグは、CrusoeがMetaとOracleにAI計算能力を供給する契約を持つと報じた。
2 また、別の報道ではOpenAI、Microsoft、Metaとの取引も伝えられている。
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Jane Streetと5年・約130億ドルのクラウド契約
Crusoeは、クオンツ取引会社のJane Streetと、約130億ドル規模とされる5年間のクラウド契約を結んだと報じられた。この契約を通じてJane Streetは、Crusoeのクラウド基盤上で、AIの学習と推論に使う先進GPUのクラスターや関連インフラを利用する。非公表契約について知る関係者の話として報じられている。
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単純に5年で均した場合、年間平均は約26億ドルとなる。ただし、実際の支払い時期や配分は公表されていない。
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注目すべきなのは契約の金額だけでなく、期間と顧客の広がりだ。巨大テック企業に限らない大口顧客による長期コミットメントとなり、ブルームバーグ報道では、この契約がCrusoeの最新資金調達への関心を高めた一因とされた。
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AIデータセンター競争では「GW」が重要な指標に
Crusoeは6月、データセンタープロジェクトと「Crusoe Cloud」を合わせ、4.9ギガワット(GW)のAIインフラを契約済みだと発表した。開発パイプライン全体は40GW超としている。
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ただし、この数字は区別して読む必要がある。契約済み容量は、すべてがすでに稼働中であることを意味しない。また40GW超のパイプラインには、契約済み案件に加え、テナントとの交渉が進行中の拠点や開発が進んだ案件も含まれる。
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それでも、この規模感はAI需要の拡大で何がボトルネックになっているかを示す。AIモデルを動かすためのGPUだけでなく、それを収容するデータセンターと、安定的に供給できる大規模電力が、競争上の決定的な資源になっている。
何が起きているのか
報道ベースの約300億ドルというCrusoeの評価額は、「AI需要は電力・データセンター・高速計算資源の確保によって制約される」という投資テーマを反映している。Jane Streetとの約130億ドル契約、そして4.9GWの契約済み容量という同社の開示は、こうした希少な資源を実用的なクラウド容量として束ねられる事業者に、なぜ巨額の資金が向かうのかを示している。
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