「My Feed, My Way」は、オーストラリア政府が打ち出したSNS向けの法案案です。利用者がデフォルトのフィードについて、アルゴリズムが選んだ個別推薦を受け取るか、あるいは自分で選んだフォロー先の投稿を中心に見るかを選べるようにする内容です。
これはアルゴリズムを全面禁止する提案ではありません。より広範な**デジタル注意義務(Digital Duty of Care)**の一部で、オンラインサービスに予見可能な被害への対応を求める構想です。
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利用者は何を選べるのか
法案案では、SNSプラットフォームが新規・既存の利用者に通知を出し、デフォルトのフィードを選択できるようにすることが求められます。利用者は、アルゴリズムによる個人向け推薦を含むフィードを選ぶことも、その推薦をオプトアウトすることもできます。
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報道によれば、オプトアウト後のフィードは、利用者が能動的にフォローしたアカウント、クリエイター、個人、グループの投稿が対象です。属性、関心、過去の行動などを基に、フォローしていないアカウントの投稿まで表示する推薦の役割を小さくすることになります。
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重要なのは、政府が特定の発言を削除させる仕組みとしてではなく、フィードの並び方に対する利用者の選択権として位置付けている点です。
より広い「デジタル注意義務」
「My Feed, My Way」は制度全体の一要素です。政府は、デジタル注意義務を**Online Safety Act 2021(オンライン安全法)**の枠組みで法制化する方針を示しています。その目的は、オンラインサービスに対し、予見可能なオンライン上の被害を防ぐ合理的な措置を取るよう義務付けることです。
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政府・法政策資料が示すモデルでは、規制対象のサービスは、合理的に可能な範囲で安全なオンライン環境を提供するため、有効なシステムと手続きを維持しなければなりません。違法・有害なコンテンツの防止、監視、適切な対処に加え、AIシステム、アルゴリズム型推薦システム、ボットアカウントといった機能の安全性も対象とされています。
つまり、被害の回避を利用者自身の設定や自己防衛だけに委ねるのではなく、事業者がリスクを前もって把握し、軽減策を講じ、継続的に維持する方向への転換です。政策上は、有害なコンテンツへの接触を減らし、推薦システムによる危険・対立的な情報の増幅を抑えることが目標に含まれています。
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なぜ推薦アルゴリズムが焦点なのか
政府はこの改革を、世界に先駆けて導入した16歳未満のSNS利用制限に続くオンライン安全政策であり、豪州の利用者にネット上の選択肢とコントロールを与えるものだと説明しています。
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推薦システムは、本人が選んだつながりの外から投稿を表示し、反応を予測して似た内容を繰り返し提示できます。今回の提案は、このモデル自体を禁じるものではありません。利用者が望む場合に、そこから離れられる経路を設けるものです。
ただし、依存的な利用や有害な接触をどの程度減らせるかは、最終設計に左右されます。選択肢がどれほど目立つ表示になるのか、設定が維持されるのか、非パーソナライズのフィードに実際には何が含まれるのかが重要になります。
EUのデジタルサービス法(DSA)との違い
豪州案は、個別投稿の削除だけを問題にするのではなく、事業者のシステム、予見可能なリスク、リスク軽減策に注目する点で、EUの**デジタルサービス法(DSA)**を含む欧州のプラットフォーム規制と共通する面があります。豪州政府も、注意義務の方向性は英国とEUのアプローチに沿うものだと説明してきました。
ただし、豪州案をDSAの単なるコピーとみなすことはできません。示されている資料からは、条文ごとに対応する同一制度だとは確認できません。豪州ではOnline Safety Act 2021の枠組みで運用される構想で、目立つ利用者向けの要素は、パーソナライズされた推薦をオプトアウトできる選択肢です。
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執行と罰則の見通し
デジタル注意義務は、豪州のオンライン安全制度の中で提案されており、担当規制機関はeSafety Commissioner(eSafetyコミッショナー)です。公表された法案案に関する報道では、プラットフォームは被害低減策を文書化する必要があり、違反時には最大1億920万豪ドルの制裁金を科される可能性があるとされています。
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もっとも、現段階では法案案であり、執行手順や制裁金の設定は協議と議会審議を経て確定します。大きな金銭的負担を伴う制度として想定されている一方、法案が提出・成立するまでは、報道された細部を確定した法律として扱うべきではありません。
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なお、16歳未満のSNS利用制限については別の改革が進んでいます。eSafetyは事業者に遵守措置の証拠提出を求められるようになり、この年齢制限制度の違反に対する上限額は9,900万豪ドルに引き上げられています。 これらの権限や罰則が、最終的なデジタル注意義務の制度と同一になるとは限りません。
言論の自由・検閲をめぐる論点
アルゴリズム型フィードの選択だけを見れば、コンテンツ禁止より直接的な検閲性は低いといえます。オプトアウトする利用者は、個別推薦を受け取らないことを選ぶのであって、政府が特定の言論を抑圧する仕組みではないためです。
一方で、広い注意義務には難しい論点があります。「予見可能な被害」を防ぐ義務が強く課されれば、規制リスクを避けるため、事業者が合法でも議論を呼ぶ投稿を削除したり表示順位を下げたりする圧力につながる可能性があります。
実際の影響は、「被害」の定義、eSafetyが出す指針、透明性と不服申立て・審査の仕組み、政治的言論、報道、少数者の表現への保護がどう設計されるかに依存します。現時点の資料だけでは、こうした安全策を結論づけて評価することはできません。
現在の段階と今後
デジタル注意義務の法案案は2026年9月8日、限定的な協議に向けて公表されました。したがって「My Feed, My Way」は、すでに施行された義務ではなく、なお提案段階です。
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制度設計に先立つ協議では、推薦システムを無効にできるようにするなど、利用者によるコントロールも論点になっていました。 今回の協議後、政府が最終法案をいつ議会に提出するかについて、提供資料から確定的な日程は読み取れません。
現状の要点は明確です。豪州は、利用者がパーソナライズされたSNSフィードを避けられる選択肢を提案するとともに、オンライン事業者に予見可能な被害の管理を求める、より広い制度を整えようとしています。
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