中国のAIスタートアップDeepSeekが、約5000億元(約740億ドル)の投資前評価額を前提に、約500億元(約74億〜80億ドル)を調達するIPO前ラウンドを進めていると報じられています。取引は2026年8月末までに完了する見通しとされていました。
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ただし、現時点ではあくまで関係者の話に基づく非公開の交渉です。DeepSeekは、調達の完了や最終的な評価額、投資家ごとの出資額を公表していません。
調達が意味すること
報じられた評価額を前提にすれば、今回のラウンドは、将来の株式上場を見据えた大規模な資金注入になります。調達資金は、AIモデルの研究開発や計算基盤の拡充に充てられる見通しです。
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一方、今回の評価額は、DeepSeekの過去の外部調達から推測される評価額を大きく上回ります。中国企業の2026年7月の開示資料では、間接的な株式取得を基に、DeepSeekの評価額は3508億8000万元(約518億2000万ドル)と推計されました。過去の調達条件をDeepSeek自身が公表したわけではありません。
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参加が報じられた投資家
既存株主のうち、再び出資を検討していると報じられているのは次の投資家です。
- Monolith Management
- Shixiang Capital
- Contemporary Amperex Technology(CATL、寧徳時代)
Monolithについては、参加が協議中と報じられており、投資家の顔ぶれは最終決定ではありません。
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新たな候補としては、CPE、Legend Capital、Stony Creek Capital、GigaDevice(兆易創新)に関連するファンド、合肥の政府系投資機関などの名前が挙がっています。ただし、最終的な参加や出資配分は明らかになっていません。
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売上は急増、それでも赤字
関係者の話として報じられた財務データによると、DeepSeekの2026年1〜7月の売上高は約4億7500万元(約7070万ドル)でした。これは、2025年通年の売上高の約10倍に相当します。同期間の純損失は約7億1500万元で、2025年通年の9億3500万元から縮小しました。
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ただし、利益率の数字は慎重に読む必要があります。全社の粗利益率は44.6%、APIを通じたモデル利用権の販売事業では82.9%と報告されています。API事業の粗利益率は一部事業の指標であり、会社全体が黒字化したことを意味しません。
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売上の伸びは大きいものの、規模との間にはなお隔たりがあります。7カ月間で約7070万ドルという売上高は、OpenAIやAnthropicなど米国の大手AI企業に関連して報じられている商業売上高を大きく下回ります。ただし、企業によって会計期間ベースの売上高、年換算売上高、ARR(年次経常収益)など指標が異なるため、単純比較はできません。
上海上場との関係
今回の調達は、中国本土での上場準備の一環とみられています。DeepSeekは、上海証券取引所の科創板(STAR Market)への上場を検討し、早ければ2026年末にも申請、2027年の上場を目指していると報じられました。ただし、実際の申請と上場は、規制当局の承認、取引の進捗、市場環境に左右されます。
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調達が実現すれば、目的は大きく2つあります。ひとつは、AIモデルの開発と計算インフラへの投資資金を確保すること。もうひとつは、株式上場を前に、非公開市場で新たな評価額を形成することです。調達の完了もIPOも、現時点で保証されているわけではありません。
740億ドルという評価額をどう見るか
報じられた740億ドルという数字は、DeepSeekの現在の売上高を表すものではなく、将来の成長を見込んだ投資家による価格です。売上の急増、API事業の採算性、中国のAI市場における戦略的重要性が、将来の拡大期待を支えている可能性があります。
その一方で、公開情報からは、現在の売上規模が評価額に比べてまだ小さいこと、そしてDeepSeekがなお赤字であることも分かります。今回の動きで最も確実に言えるのは、DeepSeekがすでに740億ドルの評価額を確保したということではありません。2027年の上場を視野に、投資家とその水準をめぐる交渉を進めている、という点です。