百度(Baidu)は、もはや単なるインターネット検索企業ではない。2026年第2四半期、百度コアのAI関連事業は125億元に達し、百度の「一般事業」売上の50%を占めた。前年同期比では25%増となる。もっとも、AIへの転換はまだ完了していない。連結売上高は減少し、オンラインマーケティングは大幅に落ち込み、AIインフラでは競争が激化している。自動運転事業「Apollo Go」も、技術面だけでなく規制と運用の不確実性を抱えている。
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まず押さえたい点——AIが半分なのは「一般事業」の売上
「百度の売上の半分以上をAIが占める」という表現は、対象範囲を確認する必要がある。第2四半期の百度コアAI関連事業は125億元で、百度一般事業の売上252億元のちょうど50%だった。
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一方、動画サービスのiQIYIを含む連結売上高は313億元。より広い連結ベースで見ると、AI関連売上の比率は全社売上のおよそ40%であり、50%超ではない。
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16 それでも、百度の中核事業においてAIが主役になったことは重要な転換点だ。ただし、従来型の収益基盤をAIがすでに置き換えたとまでは言えない。
最も分かりやすい成長エンジンはAIクラウド
AIクラウド基盤の売上高は前年同期比50%増の73億元となり、GPUクラウドの売上高は283%増加した。
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4 これらの数字は、AI計算資源への需要が強いことを示している。検索広告に依存しない新たな事業が急速に拡大している点も、百度にとって大きい。
ただし、投資家が注目すべきなのは成長率だけではない。その成長が持続的で、利益を生み、競合から守られるものになるかが重要だ。百度は、中国の大手テクノロジー企業であるアリババ・クラウド、テンセント・クラウド、ファーウェイなどと競争している。GPU、データセンター、AIモデル、企業向け販売網への継続的な投資も必要になる。
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したがって、AIクラウドは有望な成長分野ではあるが、現時点で強固な「堀(モート)」があるとは限らない。売上が急増していても、価格競争、設備投資負担、長期的な利益率の不透明さは共存し得る。今後はGPU関連売上の伸びだけでなく、利益率と顧客の定着率を確認する必要がある。
検索広告の縮小が、転換の最大の壁
オンラインマーケティング売上は前年同期比19%減の131億元となった。アナリストは広告需要の弱さを要因に挙げており、百度経営陣もユーザーの注目を巡る競争に加え、AI検索の収益化を意図的に抑えていることを説明している。
生成AIによる回答は、従来の検索結果ページにユーザーを送り、広告リンクをクリックしてもらうという検索ビジネスの構造を変え得る。質問に対する答えが検索画面上で完結すれば、従来型のクリックとキーワード広告の余地は小さくなる。
百度にとっての課題は、新しいAI検索サービスを成長させながら、歴史的に重要で利益率も高かった検索広告の落ち込みを補うことだ。第2四半期の数字を見る限り、その置き換えはまだ道半ばにある。AIクラウドが大きく伸びたにもかかわらず、連結売上高は前年同期比4%減の313億元となり、示されたアナリスト予想も下回った。
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Apollo Goは規模を示すが、収益化はまだこれから
百度には、もう一つの成長オプションとして自動運転部門Apollo Goがある。第2四半期時点で、Apollo Goは世界28都市で運行し、累計乗車回数は2,300万回超、自動運転走行距離は3億5,000万キロ超と報告されている。
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これらは運用規模の大きさを示す。しかし、規模がそのまま魅力的な収益性を意味するわけではない。自動運転による配車サービスには、車両の配備、遠隔支援、保守、安全規制への対応、都市ごとの許認可、利用者や社会からの受容などが必要になる。現時点の証拠からは、Apolloを「近い将来の確実な利益成長源」と見るより、長期的なアップサイドを持つオプションと捉える方が適切だ。
百度はまた、エアバッグが作動する頻度について「1,440万キロメートルに1回」と説明している。これは会社が公表した安全指標であり、独立機関による標準化された比較ではない。そのため、業界首位を証明する決定的な数字ではなく、運用状況を示す一つの指標として扱うべきだ。
Apolloの拡大には規制と信頼性のリスク
Apollo Goの拡大は、運用上の事故が規制上の障害に発展し得ることも示した。武漢でApollo Goの車両が突然停止して交通を妨げた後、中国当局は安全性と監視手順を確認する間、自動運転車の新規許可発給を停止したと報じられた。
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百度はその後、規制上の配慮に伴う運用調整によって、中国国内の乗車量が一時的に影響を受けたと説明した。 7月の報道では、ロボタクシーの許可承認が徐々に再開されたとされるが、この一件は事業拡大の条件を浮き彫りにしている。必要なのは技術力だけではなく、安定した車両運用と、都市ごとの規制当局からの継続的な承認だ。
なぜ投資判断は「HOLD」なのか
強気シナリオは明快だ。百度は有力なAIクラウド事業を育てており、AI関連事業は一般事業売上の半分に達した。さらに、Apollo Goが長期的な追加価値を生む可能性もある。
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しかし、弱気シナリオもはっきりしている。検索広告は縮小し、AI検索の収益化は意図的に抑制され、AIインフラでは競争が激しい。Apollo Goも、安全性、規制、運用上の問題によって商業化が遅れる可能性がある。
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引用された評価分析では、DCFによる適正価値レンジが90.25~102.70ドルと算出されている。第2四半期決算後の分析で参照された株価付近では、上値余地は限定的だった。百度がAIの成長によって縮小する既存事業を十分に置き換えられるかを証明する段階であることを考えると、安全余裕は大きくない。
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そのため、2026年8月26日時点では「HOLD」が最もバランスの取れた結論となる。百度に成長機会がないからではない。AI事業が十分に持続的な利益を生み、より高い評価を正当化できることを、決算の証拠がまだ示していないからだ。
判断が変わる可能性がある材料
より強気の見方に変わるには、少なくとも次の3点を確認したい。
- 検索事業の安定化: AI検索の利用拡大と収益化が、従来型オンラインマーケティングの減少を埋め始めること。
- クラウド成長の収益化: 競争と投資負担が続く中でも、AIクラウド基盤が高成長と持続的な利益率を両立すること。
- Apollo Goの安定した拡大: 繰り返しの運用停止を避けながらロボタクシーを都市間で拡大し、許認可の取得が魅力的な1台当たり採算につながる道筋を示すこと。
これらのシグナルが現れるまでは、百度の変革は「有望だが、まだ実行段階にある」と見るのが妥当だ。