Googleは、Google Playで配信されるAndroidアプリとゲームを対象に、メモリ使用量やコードの効率をより厳しく確認する新しいアプリ品質要件を発表しました。パフォーマンスに関する基準は2027年2月から適用され、基準を継続的に超えるアプリは、Play上での露出や公開機能が制限される可能性があります。916
何が評価されるのか
Google Playが「bad behavior(望ましくない挙動)」として評価するのは、次の3項目です。
- 動的メモリ使用量:匿名RSS(Anonymous Resident Set Size)と圧縮スワップの合計。アプリが実行時に実際に使用するプライベートメモリを測定し、コードや端末内に保存されたアセットは対象から外します。14
- ビットマップメモリ:画像やビジュアル素材が、アプリの非表示時やバックグラウンド、キャッシュ状態でメモリに残り続けないようにするための基準です。14
- DEXコードの最適化:DEX(Dalvik Executable)コードのサイズに応じて、コードの難読化、最適化、縮小を十分に行うことが求められます。16
単発の異常値ではなく、28日間の90パーセンタイルで判定
基準値は、1回の起動時に記録された最悪値だけで決まるわけではありません。Googleは28日間にわたって収集したデータを用い、90パーセンタイルでアプリの挙動を評価します。狙いは、特定の端末や一時的な不具合ではなく、実際の利用環境で継続的に発生しているメモリ浪費を見つけることです。914
ゲームの動的メモリ基準は端末のRAM容量別に設定
ゲームについては、フォアグラウンドでの動的メモリ使用量に端末のRAM容量に応じた基準が設けられます。提示されている範囲では、RAM 4GBの端末で2.25GB、RAM 16GBの端末で5GBが上限の目安です。914
ビットマップメモリについては、アプリがフォアグラウンドまたはバックグラウンドにある場合は200MB以下、キャッシュ状態では400MB以下に抑える必要があります。9
また、DEXコードが50MBを超えるゲームは、難読化・最適化・縮小によって、少なくとも25%のApp Bundleカバレッジを達成することが求められます。916
すぐにPlayストアから削除されるわけではない
今回の措置は、基準を一度超えたアプリを自動的にPlayストアから削除する、と説明されたものではありません。基準を超える状態が続く場合、検索やストア内での露出が下がったり、公開機能が制限されたりする可能性があります。16
Googleは、開発者向けにPlay Consoleでのモニタリングや診断機能を提供するとしています。また、実際のデータが蓄積されるにつれて基準値が変更される可能性もあります。16
端末移行時の「ゼロタップログイン」は2027年4月から
パフォーマンス要件とは別に、ログイン機能を持つアプリには、Android端末を買い替えた際のZero-Tap Sign-In(ゼロタップログイン)対応も求められます。適用開始は2027年4月です。1220
Android Restore Credentials APIを利用すると、新しい端末へアプリを復元した際、ユーザーのログイン状態を自動的に復元できます。新端末でアプリを初めて開いたときに、追加の入力やタップをせず利用を再開できる仕組みです。3920
現時点ではゲームはこの移行要件の対象外とされています。1220
Android 17のメモリ制限とは別の施策
Google Playの新基準は、Android 17に導入されるOS側のメモリ制限を置き換えるものではありません。Android 17では、端末全体のRAM容量に応じてアプリごとのメモリ上限が設定され、上限を超えたアプリは動作が遅くなったり、終了させられたりする可能性があります。168
つまり、Android 17が実行中のアプリを保護するOS側の仕組みだとすれば、今回のGoogle Play要件は、配信前から過剰なメモリ使用を減らすよう開発者に促す仕組みです。
なお、RAM不足やAI需要の高まり、Pixel 11 ProでRAM容量が16GBから12GBへ減る可能性といった報道は、今回の動きを説明する背景として語られています。ただし、これらはGoogleが示した公式の法的・技術的な理由ではなく、端末仕様についても現時点では報道段階の情報です。57