Xiaomiは8月24日、同社初となる自社開発のスマートドライビングAIチップ「Xring D100」を発表しました。3nmプロセスを採用したチップで、開発と検証を完了し、2027年の商用利用を予定しています。
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今回の発表は、自動車だけでなく、スマートフォンやパソコン、家庭向け機器、AIシステムまで含めて、Xiaomiが半導体とソフトウェアの主導権を自社で握ろうとする動きの一環です。ただし、現段階では既存の車載コンピューティング基盤を上回る性能が実証されたわけではありません。
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Xring D100の主な仕様
Xiaomiの説明によると、D100は以下の構成を備えています。
- 20コアの高性能CPU
- 16コアNPU(AI処理に特化したプロセッサー)
- 最大160GBの統合メモリー
- 最大2000億パラメーターのAIモデルを端末上で実行する機能
クラウドに処理を送らず、車両側で大規模なAIモデルを動かせる点が、D100の大きなアピールポイントです。ただし、実際の推論速度や消費電力、対応するモデルの精度・量子化方式など、実用性能を左右する詳細は明らかになっていません。
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「中国本土初の3nmスマートドライビングチップ」という主張
Xiaomiは、D100を「中国本土で初めて3nmプロセスを採用した高演算能力のスマートドライビングAIチップ」と説明しています。
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もっとも、これは現時点ではXiaomiによる位置づけです。会社はD100のTOPS値、製造を担うファウンドリー、最初に搭載する車種、2027年の具体的な導入時期を公表していません。そのため、NVIDIAなどが公開しているTOPS(1秒あたりの演算回数)と単純に比較することはできません。
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また、3nmという数字はトランジスターの集積度や設計上の効率化に関係する指標であり、それだけで自動運転性能、安全性、信頼性、コスト競争力が決まるわけではありません。
3チップ構成の「AI Cube」も披露
XiaomiはD100を含む3種類のXringチップを組み合わせた「AI Cube Prototype」も展示しました。150Wで動作するエンジニアリング試作機で、Xring O3モバイルSoC、O100 AIアクセラレーター、D100車載プロセッサーを搭載しています。
展示機には80GBの統合メモリーが搭載され、ローカルで「120B+3B」とされるモデル構成を実行したと報告されています。ただし、これは市販製品の発表ではなく、価格や発売日も示されていない試作機です。
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中国EVメーカーとの競争でどの位置に立つのか
中国の電気自動車メーカーでは、外部の半導体メーカーへの依存を減らすため、自社チップの開発が広がっています。
- NIO(蔚来):5nmの「Shenji NX9031」をNIOおよびOnvo車に搭載しており、30万個以上を出荷したとされています。NIOはこれまで、1チップあたり1000TOPS超を主張してきました。D100の3nmは製造世代だけを見れば新しいものの、TOPS値、電力、メモリー帯域、安全設計、実走行データが非公開のため、優劣は比較できません。
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- Li Auto(理想汽車):5nmの「M100」について、1280TOPSという数値が報じられています。XiaomiがD100のTOPS値を公開していないため、少なくとも公表スループットの比較ではLi Auto側に情報上の優位があります。
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- BYD(比亜迪):4nmの「玄機A3(Xuanji A3)」がすでに量産に入ったと報じられており、D100が3nmであっても、実装・展開ではBYDが先行しています。
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- XPeng(小鵬):XPengも自社開発の自動運転半導体に取り組んでいます。Xiaomiの参入は、中国EV業界全体で進む「外部チップへの依存低減」の流れに位置づけられます。
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Xiaomiの現在のEVではNVIDIA製ハードウェアが使われていますが、D100は2027年以降、その依存を減らすための選択肢となる可能性があります。
11車両のソフトウェア、走行データ、AIモデル、演算チップを一体で管理するという発想は、Teslaが自社開発のFSDコンピューターで進めてきた方向性にも似ています。
一方、NVIDIAにはすでに広範なサプライヤー、開発ツール、導入実績、ベンチマークの蓄積があります。XiaomiはD100について、性能、電力効率、ソフトウェア開発環境、安全性検証に関する十分なデータをまだ公開していません。
Xiaomiの半導体戦略と残る課題
Xiaomiは半導体分野に210億元超を投資し、約3000人のエンジニアで構成されるチップ開発チームを築いたとしています。
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その投資が続く一方、2026年第2四半期の「スマートEV・AI・その他の新規事業」部門は、26億元の営業赤字を計上しました。
9同部門の成長を支えるには、車載チップを自社で設計することで、部品調達の主導権、機能統合、長期的なコスト構造を改善できるかが重要になります。Reutersも、主要部品の管理強化によって事業基盤を強くする狙いがあると報じています。
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最大の課題は実行力です。D100は検証を終えたとされるものの、量産車への搭載・出荷はまだ始まっていません。3nmプロセス、20コアCPU、16コアNPUという仕様は注目に値しますが、自動運転チップとしての実力を判断するには、TOPS値、消費電力、熱設計、機能安全、ソフトウェア対応、実車での検証結果、そして量産コストの公開を待つ必要があります。