こうした装備は、より遠方の目標を探知・攻撃し、部隊を連携させる能力を高めるものだ。そのため、北朝鮮は日本の防衛態勢が防御中心から、攻撃能力を備えた態勢へ移行していると主張している。
一方、日本側は北朝鮮の見方を否定している。小泉進次郎防衛相は、現在の地域情勢について、第二次世界大戦後で最も厳しく複雑な安全保障環境だと説明。日米韓の協力は地域の平和と安定を維持するためのものだと強調している。
なお、「高市早苗首相が防衛費の上限を撤廃した」という説明については、2027年度予算全体の編成過程と混同しない注意が必要だ。確認できる資料が示しているのは、上限を設けない新たな「成長投資」枠が設けられたことまでであり、防衛費に関するあらゆる制限が撤廃されたとまでは立証されていない。
北朝鮮の反発は、日本の防衛力強化だけでなく、米国と韓国の軍事演習をめぐる動きとも重なっている。2026年の米韓合同軍事演習「ウルチ・フリーダム・シールド」は、米側の要請を受け、予定されていた11日間から5日間へ短縮され、一部の野外訓練も縮小された。
北朝鮮にとって、日本の再軍備と日米韓の連携は、米国主導の三カ国陣営と、北朝鮮・中国・ロシアの対立という構図を訴える材料になり得る。
ただし、北京と平壌がこの構図を具体的な共同キャンペーンとして正式に採用し、連携していると断定できる証拠は、今回確認できる資料だけでは十分ではない。
現時点で明確なのは、東京が長射程兵器を含む防衛能力の強化を進め、平壌がそれを「侵略準備」と非難しながら、将来の軍事行動を正当化する言葉として利用していることだ。日本の防衛費拡大は、抑止力の強化なのか、それとも地域の軍拡競争を加速させるのか。北朝鮮の警告は、この争点を改めて浮き彫りにしている。