さらに、代替アプリマーケットプレイスやウェブから配信されるアプリについては、従来のインストール単位のCore Technology Feeが廃止されます。代わりに、デジタル取引に対して一律5%のCore Technology Commissionが適用されます。初回獲得料(Initial Acquisition Fee)とストアサービス料(Store Services Fee)も廃止されます。
Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOは、Appleの新制度を「ジャンク料金」と批判しました。Epicの主張では、手数料率が以前より単純化されたとしても、ユーザーが外部リンク先や競合する決済・配信経路で購入した場合にまでAppleが徴収を続けるため、Appleの決済サービスを使わない取引にも“通行料”を課す構造が残っています。
スウィーニー氏は、外部リンク経由の取引への課金はEUの**デジタル市場法(DMA)**に明確に反すると主張しました。また、Appleが外部決済やリンク利用に制限を設け、ユーザー、とりわけ子どもをAppleの決済へ戻すような操作上の負担や摩擦を加えているとも批判しています。
Epicの見立てでは、EUの規制当局がこの仕組みを認めれば、開発者は形式上は外部へリンクできても、その先で生じた売上からAppleに手数料を取られることになります。その場合、DMAは実質的に意味を失うというわけです。なお、これはEpic Games側の主張であり、規制当局によって確定した判断ではありません。
Appleは、今回の統一規約によってEU向けの制度が分かりやすくなり、決済やプロモーションの選択肢が増えると説明しています。インストール数に基づく料金を、代替配信経路でのデジタル取引に連動する5%の手数料へ置き換える点も、制度を簡素化する措置だと位置づけています。
欧州委員会は変更を歓迎しつつ、実施状況を引き続き注視する姿勢を示したと報じられています。 一方、消費者団体の欧州消費者機構(BEUC)については、今回の資料だけでは正確な声明文を確認できないため、具体的な発言の引用や詳細な評価は避けるべきです。
今回のEUでの対立は、Epic Gamesが米国で争ってきた、外部で完了した取引にAppleが手数料を課せるかという問題とも重なります。Epicは米国でAppleが提案する第三者決済への手数料も「ジャンク料金」と呼び、下級審が違法かつ反競争的と判断したと主張しています。
米国の関連するAppleの上訴は、10月に始まる会期で最高裁が扱う予定です。また、Appleが手数料をめぐる手続きを一時停止するよう求めたのに対し、地方裁判所は認めず、外部決済やウェブ上の購入リンクに対して開発者へ請求しようとする手数料案の概要を示すようAppleに求めました。
EUと米国の双方で、焦点は「代替手段を技術的に許すか」だけではありません。代替手段を選んだ取引に対してもプラットフォーム事業者が料金や制限を残せるのか——そこが、App Storeをめぐる競争政策の核心になっています。