電子機器、産業機械、自動車、電池、発電設備など、これらの製品は単なる完成品ではない。AIやデジタル化、製造業の高度化、交通・エネルギーの電動化を支える設備や部品でもある。電子・機械製品の輸出は26%増、自動車の輸出は55%増となり、輸出品目の高付加価値化が広い分野で進んでいる。
電気自動車、リチウムイオン電池、風力発電設備などのグリーン・低炭素製品も輸出を押し上げた。関連報道では、これらの輸出はそれぞれ71.2%、35.8%、34.8%増加したとされている。 中国は消費財の供給国であるだけでなく、世界の産業高度化に必要な機器や部品の供給国としての役割を強めている。
中国の輸出が通貨高や貿易障壁の影響を受けながらも伸びている背景には、サプライヤーが集積した厚みのある生産基盤、規模の経済、製造業への継続的な投資がある。電子機器や機械、電動化関連製品では、部品調達から組み立て、物流までを国内の密なネットワークで結びやすい。
また、販売先を一つの市場に限定せず、複数の海外市場に広げる動きも、輸出の下支えとなっている。これはグローバル化からの単純な撤退というより、海外での販売・生産・サービス体制を組み込みながら、供給網を分散・統合する戦略とみることができる。
一方、中国の輸出攻勢は各国の警戒も強めている。7月の貿易黒字は1,125億ドルに達し、100億ドルではなく1,000億ドルを超える月が3カ月連続となった。 中国製品の流入を抑えるため、主要貿易相手国が関税や輸入規制などの防衛的な措置を強めれば、輸出企業は市場アクセス、補助金、過剰生産能力、安全保障に関する新たな摩擦に直面する可能性がある。
これは輸出産業の競争力を示す一方、成長が海外市場に依存する度合いが高まっていることも意味する。外需が鈍化したり、関税・輸出規制が広がったりすれば、輸出主導の成長は影響を受けやすい。
最新の統計から見えるのは、中国の輸出エンジンが「安価な大量生産」から「技術、設備、電動化を含む高付加価値製品」へと移行している姿だ。イノベーション、高度な製造能力、強靱なサプライチェーンを維持することが、今後の競争力を左右する。
同時に、外部の通商障壁への脆弱性を抑えるには、国内需要を強化し、輸出と国内消費のバランスを改善する必要がある。輸出の高度化は成長を持続させる力になる一方、貿易黒字の拡大を通じて国際的な反発を招くという難しさも抱えている。