したがって、今回の報道はQwenの計画が中止された証拠ではありません。考えられるのは、Appleが一部の機能に自社のローカライズモデルを使い、別の機能ではQwenを利用する混在型の構成です。両社は、2つのモデルをどの機能に割り当てるのか、最終製品に両方が含まれるのかを公表していません。
Qwenとの連携計画が具体的に見えたのは8月8日でした。Appleは中国語のサポートガイドを公開し、中国本土の対象MacユーザーがAlibabaのQwenをSiriとWriting Toolsに接続できると説明しました。
ガイドによると、ユーザーが選択すれば、Siriは写真や書類の分析など、一部の依頼に対してより詳しい回答をQwenから得られる可能性がありました。Writing Toolsでは、ユーザーの指示に基づいて文章や画像を生成する際にQwenを利用できるとされていました。
しかし、Appleはこのページを公開から1日足らずで削除しました。そのため、このガイドは連携の計画や想定される操作方法を示す資料ではあるものの、機能が広く利用可能になったことや、正式に提供開始されたことの証明とはいえません。
今回参照できる情報の範囲では、報じられたApple独自モデルの提供時期も、Apple Intelligenceの中国展開時期も正式には発表されていません。Reutersは中国でのApple Intelligence提供が見込まれていると報じていますが、AppleとAlibabaは確定した日程を示していません。
削除されたサポートガイドも、発売時期を明らかにするものではありません。MacでQwenをSiriやWriting Toolsに接続する仕組みの一端は示しましたが、ページが消えた以上、現在その機能が使えると考えるべきではありません。
Appleの中国向け独自モデルとQwenの提携は、どちらか一方だけの計画ではなく、進行中の中国AI戦略を構成する別々の要素として見るのが妥当です。AppleはAlibabaの支援を受けながら自社で管理するローカライズモデルへ軸足を移しつつ、第三者サービスとしてQwenを組み込む余地も残している可能性があります。