第3四半期については、次の見通しを示している。
今回の修正は、ASMLにとって2026年見通しの2度目の引き上げとなる。4月時点でも、従来の340億〜390億ユーロから360億〜400億ユーロへ、すでに上方修正していた。
需要の強さは、ASMLの生産計画にも表れている。同社は2026年に低NA EUV装置を約60台出荷する計画で、2025年から25%増やすとしている。 さらに、2027年と2028年には生産能力をそれぞれ30%拡大する計画だ。
これは、AI向け半導体への投資が一時的な発注増ではなく、少なくとも複数年にわたる設備投資計画へ広がっている可能性を示す。ただし、半導体設備投資には景気循環があり、現在の強い需要が将来も同じ水準で続く保証はない。現時点で確実に言えるのは、AI投資が先端ロジックとメモリー向け製造装置の中期的な見通しを押し上げているということだ。
この動きは、現在の半導体投資サイクルが単なる在庫補充よりも広いことを示唆する。AIインフラの拡大と高度な計算能力への需要を背景に、複数年にわたる設備投資が進んでいるとみられる。
一方、ASMLの生産能力拡大は顧客の動きへの対応であり、それ自体が投資サイクルの継続を保証するものではない。 受注の強さが続くかどうかは、顧客の設備投資、ASMLの生産実行力、そしてAI関連需要の持続性に左右される。
今回の市場の好反応は、主に次の3点で説明できる。
提供された資料からは、決算と見通しの引き上げを受けて株価が上昇したことは確認できる。ただし、特定の月曜日における正確な日中上昇率、52週安値からの上昇率、2026年の年初来騰落率、決算後のアナリストによる評価変更や目標株価の全体像については、決算発表だけから信頼できる形で確定することはできない。
関連銘柄では、ASM Internationalが8月10日に最大1億5,000万ユーロの自社株買いを開始した。買い付けは総額に達するか、2026年12月を迎えるまで続く予定だ。
ただし、この自社株買いはASM Internationalの株主還元策に関する情報であり、同社の業績見通しやBE Semiconductor Industries(Besi)の株価パフォーマンスを直接示すものではない。提供資料だけでは、両社の特定日の株価騰落率や見通しを十分な根拠をもって比較することはできない。
ASMLの第2四半期決算は、AI関連の半導体投資が、先端露光装置への実際の需要に結び付いていることを裏付けた。38億ユーロのEUVシステム売上高、2026年見通しの2度目の引き上げ、そして2027年・2028年まで続く顧客の生産能力拡大計画が、その根拠となる。
もっとも、強い受注が続いているからといって、半導体投資の循環性や株価の割高感が消えるわけではない。現時点では、AIインフラ投資の広がりが、ASMLの装置売上高、利益率、EUV生産能力を押し上げるだけの規模に達している――これが今回の決算から読み取れる最も妥当な結論だ。