携帯電話事業者は、原則として規制当局から割り当てられた周波数帯だけを利用しなければなりません。別の周波数帯を使う場合は、事前にIMDAの承認を得る必要があります。
IMDAは、SIMBAが割り当てを受けていない周波数帯をモバイル通信に利用していた可能性について調査しています。事実関係が確認されれば、1999年電気通信法やSIMBAの設備ベース運用ライセンスの条件に違反する可能性があります。
ただし、現時点で最終的な違反認定や罰金の決定が下されたことを示す資料はありません。IMDAは、違反が確認された場合には法執行措置を取るとしていますが、SIMBAが実際にいくら支払うことになるかは、調査結果次第です。
一部の報道では、罰金として100万シンガポールドル、または免許保有者の年間売上高の10%に相当する額が科される可能性があるとされています。ただし、これは法律上想定されるリスクであり、SIMBAにすでに科された罰金ではありません。
売買契約には「ロングストップ日」と呼ばれる最終期限が設定されていました。これは、必要な承認などの条件がその日までに満たされなければ、契約を終了できる期限です。
以下は、買収申請書などでSIMBAとM1が示していた約束や見通しです。取引が完了しなかったため、実現したサービス内容ではありません。
買収完了時点でSIMBAまたはM1の有効なサービスや契約を利用している顧客については、2年間、支払料金を引き上げないという案が含まれていました。また、契約期間中に顧客に不利な変更を行わない方針も示されていました。
新規契約者向けには、月額10シンガポールドルと12シンガポールドルの人気プランを、買収完了後少なくとも2年間提供し続けるとしていました。
しかし、買収が成立しなかったため、これらは将来の正式な統合後の約束にはなりません。既存顧客は、現在の契約条件と各通信会社からの今後の案内を基準に判断する必要があります。
SIMBAとM1は、どちらも市場支配力を持っておらず、利用者は比較的容易に他社へ乗り換えられるため、買収によって競争が大幅に損なわれることはないと主張していました。
一方、統合後の事業者は卸売市場でより大きな地位を持つことになるため、MVNO(自前の無線ネットワークを持たず、通信会社の回線を借りてサービスを提供する事業者)への影響も論点になっていました。
ただし、提供された資料からは、MVNOに対する最終的な救済策や回線開放義務が決まっていたとは確認できません。MVNOの契約条件が改善したのか、悪化したのか、変わらなかったのかを断定する根拠はありません。
買収が破談となったことで、KeppelはM1の過半数株主として経営を続けることになります。KeppelとM1は、顧客体験を維持しながらコストを下げ、継続的なEBITDA(利払い・税金・減価償却前利益)を改善する90日間の取り組みを打ち出しました。
主な内容は次の通りです。
5Gの大規模展開が完了しているのであれば、設備投資の減少が直ちに通信品質の低下を意味するとは限りません。ただし、地域ごとのカバレッジ、速度、接続の安定性が改善する、あるいは現在の水準を維持できると保証するだけの情報はありません。実際の結果は、コスト削減と保守・容量確保・将来投資のバランス、そして計画の実行状況に左右されます。
Keppelは、Plan Bによって顧客体験を維持すると説明しています。商品整理や自動化が進めば、サービス提供がシンプルになる可能性があります。一方で、人員削減や自動化の進め方によっては、人によるサポートを受けにくくなるなど、顧客対応に新たなリスクが生じる可能性もあります。
また、買収案には、迷惑メールやフィッシング対策、SMSファイアウォール、迷惑電話のブロック手順などの保護機能を統合する構想がありました。 しかし、今回示されたPlan Bの資料には、それと同等の具体的なセキュリティ上の約束は含まれていません。買収案に固有だったセキュリティ上のメリットが、そのまま実現すると考えるべきではありません。
買収の破談だけを理由に、すぐ他社へ乗り換える必要があるとはいえません。利用者は次の点を、自宅や職場、普段の移動ルートに照らして比較するのが現実的です。
今回の取引が完了しなかったため、買収案で示されていた料金維持やネットワーク改善は、今後の確定したメリットではありません。まずは現在の利用環境と契約条件を確認し、次回の更新時期に各社の料金・通信品質を改めて比べるのがよいでしょう。