第21弾では、エネルギー、金融サービス、暗号資産(暗号通貨)、貿易、ロシアの軍産複合体が重点分野とされました。新たに追加された指定は218件で、内訳は個人48人、団体170件。EUの過去4年間で最大規模のリスト追加と報じられています。
また、ロシアの金融機関や暗号資産関連事業者、ロシア産原油の輸送に関わる「影の船団(シャドーフリート)」の船舶、ロシアとベラルーシのエネルギー関連インフラなども対象となりました。ロシアの金融機関については、94機関への資産凍結措置が含まれています。
秋のパッケージは、こうした既存措置を維持したまま、制裁対象をさらに増やし、制裁逃れを支える企業やネットワークへの対応を強化する方向になる可能性があります。ただし、現時点で確認できるのはカラス氏の方針表明までで、対象分野や個別の措置を断定することはできません。
カラス氏の発言は、ロシアによるウクライナへの攻撃が続き、ドローンやミサイルによる空爆、民間人の被害、停滞する和平協議、ほぼ動きのない前線が伝えられる状況で出されました。ロシアの全面侵攻は2022年2月に始まっています。
EUは、制裁によってロシアの軍事・経済基盤に長期的な圧力をかける方針を示してきました。今回の発表は、その圧力を秋以降も緩めないという政治的メッセージですが、実際の規模と効果は、今後公表される提案内容と加盟国間の合意によって決まります。