全米オープン前の最後の重要な調整大会となるはずだったのが、シンシナティ・オープンだ。しかし大会主催者は8月4日、右手首の負傷が続いているとしてアルカラスの欠場を発表した。 これにより、最後の公式戦となった4月14日のバルセロナ大会からの競技空白はさらに延び、全米オープン前に出場が確定した調整大会はなくなった。
ただし、どちらも最終的なメディカルチェックのクリアランスや、出場の最終決定を意味しない。アルカラスはカナダ大会とシンシナティ大会の前にも練習へ戻っていたが、いずれも欠場した。練習ができることと、厳しい大会を戦い抜けることには大きな差がある。
元世界ランキング4位のホセ・ルイス・「バタタ」・クレルクは、アルカラスに全米オープンを見送り、アジア・ツアーで復帰するよう勧めている。クレルクの見方は、準備大会を経ずにいきなり5セット制のグランドスラムへ戻れば、試合勘や持久力を十分に取り戻せないまま戦うことになるというものだ。
もちろん、こうした発言は医師による診断ではない。それでも、アルカラスが判断を迫られている現実的なポイントを示している。練習ではパワーや可動域を確認できるが、連続する5セットの試合がもたらす肉体的・精神的な負荷を完全に再現することはできない。
アルカラスは2025年の全米オープン決勝でヤニック・シナーを6-2、3-6、6-1、6-4で破り、ニューヨークで2度目の優勝を果たした。この時点で通算6個目のグランドスラムタイトルだった。 その後、2026年の全豪オープン優勝を経て、7度のグランドスラム王者になったと報じられている。
したがって今回の大会は、単なる復帰戦ではない。コンディションを見極める場であると同時に、男子テニスの頂点を形成してきたアルカラスとシナーのライバル関係が再び動き出すかを占う大会でもある。2人はグランドスラムの終盤で何度も対戦してきたが、2026年は両者が一部の主要大会を欠場し、ツアーの大舞台に大きな空白が生まれている。
シナーも別の右膝の問題でカナダ大会とシンシナティ大会を欠場している。ただし、最新報道では両選手とも全米オープンにはエントリーしており、ニューヨークのドローがどうなるかはなお不透明だ。
アルカラスは、全米オープンにエントリーしているが、出場できる状態だとはまだ確認されていない。練習映像は回復の進展を示している一方、シンシナティ欠場は、リハビリの成果がまだ実戦復帰へ直結していないことを示している。
決定的に重要なのは、練習で一度強いショットを打てるかではなく、手首が何試合にもわたる5セットの戦いに耐えられるかどうかだ。現時点の情報だけでは、アルカラスが最終的な出場許可を得たとも、タイトル防衛に臨むと確定したとも言えない。最も明確な更新は、本人が出場を正式に確認するか、ドロー発表前に欠場を決めた時に訪れることになる。