レポアは人工的国家の台頭を2つの決定的な出来事に遡る。
Appleの1984年スーパーボウル広告:Macintoshを「ビッグブラザー」の独占を打ち破る解放者として描くことで、テック企業を単なる商業組織から解放の力へと世間の認識を転換させた。このレトリックは、後にAnthropicの「Claude憲法」やサム・アルトマンの「AI大統領」発言へとつながる系譜の起点だとレポアは指摘する。
1996年電気通信法:通信・メディア産業の規制緩和により、企業権力の統合とプラットフォーム独占の台頭を促進した。レポアはこれを「悪意の結果ではなく、特定の政治的な瞬間の産物」としつつも、その結果として公共の議論が私企業の手中に委ねられる道を開いたと分析する。
レポアはTwitter(現X)を民主的な町の広場や公共フォーラムの現代版とするシリコンバレーの枠組みを完全に否定する。Twitterはかつて「あなたのポケットの中の町民集会」と自称していたが、実際には2019年の時点で、全米ユーザーの10%未満が政治ツイートの97%を生産していたに過ぎない。政治家やジャーナリストがこの偏ったごく一部の声を「世論」の代理として扱ったことが、民主的な議論の歪みを深刻化させたとレポアは論じる。こうしたプラットフォームは企業利益によって運営される私有空間であり、民主的な熟議の場ではないと彼女は断じている
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レポアは人工的国家が根本的に持続不可能である理由として、人間性と自然世界との断絶を挙げる。テックリーダーたちは、長期的な未来に道徳的重点を置く「長期主義(ロングターミズム)」の影響を受け、地球上の気候変動対策を放棄する傾向にある。そして、死にゆく地球から火星や他の地球外居住地へ逃れるというSF的ビジョンを現実の計画として追求しているのだ
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マスクが推進する火星移住計画や、一部のシリコンバレー富豪が検討する「死後、頭部を冷凍保存し意識をコンピュータにアップロードする」という構想は、この断絶の極端な現れである。レポアはこうしたテクノロジーによる超越で生態系崩壊から逃れられるという幻想は、道徳的に破綻しているだけでなく、現実的な規模での実現は不可能であり、人工的国家はまさに逃れようとしている破壊を加速させる破滅的なプロジェクトだと結論づける
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本書を通じて、レポアは歴史家や人文科学者が技術者や政策立案者とより直接的に連携することを強く呼びかけている。彼女はテック業界のリーダーたちが歴史、政治理論、立憲政治について深い無知のまま活動しており、この無知が危険な結果を生んでいると主張する。自動化やAIガバナンス、そして人々の生活をますます支配するシステムの設計において、歴史的な批判的視点をもたらすための協力体制が不可欠だと論じている
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