北京の「国産化命令」。 中国政府は2026年初頭、国内のテック企業に対してNVIDIA製品の代替品を探すよう指示。この命令により、国有企業や政府関連の調達が国産サプライヤーに一気にシフトした。上場AI半導体メーカーとして最大手である寒武紀は、この「政策主導の代替」の最大の受益者となった
。
クラウド製品ラインの圧倒的優位。 上半期の売上高のほぼ全額(約59.94億元)が、データセンター向けAIアクセラレーターであるクラウド製品ラインからのものだった。これは、中国のクラウド事業者やAI企業が、安定した供給を確保するために一斉に国産チップへと切り替えていることを示している。
株主帰属純利益は23.11億元(前年同期比122.61%増)、非GAAPベース(特別項目除く)では21.66億元(同137.3%増)に達した。利益の伸びが売上高の伸びを上回っているのは、半導体会社(ファブレス)が研究開発費や固定費を一定に保ったまま生産量を急拡大した場合に典型的に見られる、「オペレーティング・レバレッジ」効果によるものだ。同社はこれで7四半期連続の黒字を達成した
。
第2四半期(Q2)の売上高は31億元で、ブルームバーグが集計したアナリストコンセンサス(30億元)をわずかに上回った。しかし、その成長ペースは急減速している。第1四半期の純利益が10.1億元だったのに対し、第2四四半期は12.98億元と、前期比28%の増加にとどまった。財新(Caixin)は「かつて爆発的だった成長が第2四半期に急激に鈍化した」と報じ、供給制約と国内競争の激化を指摘している
。純利益の前年同期比成長率も、第1四半期の185.04%から第2四半期は90.11%へと半減した
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この決算数字は、以下の政策のタイムラインと合わせて初めてその意味が理解できる。
NVIDIAのジェンスン・フアンCEOも、2026年5月のインタビューで、同社が中国のAIチップ市場を「大部分ファーウェイに譲り渡した」と認めている。
在庫が82.5億元に膨張。 これは上半期の売上高全体よりも多い金額だ。供給網を確保するために材料を積極的に買いだめした結果、営業キャッシュフローは前年同期比で65.83%も減少している。下半期は、この在庫がどれだけのスピードで売上と現金に変わるかが、市場の最大の関心事となる
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競争の激化。 ファーウェイの「昇騰(Ascend)」シリーズは既に支配的な勢力であり、中国の大手テック企業はファーウェイのAIチップを確保することに躍起になっているという。その他にも、新興のMoore Threadsも規模を拡大しており、競争環境は年々厳しさを増している。
成長鈍化の兆し。 第2四半期の成長鈍化は、絶対的な需要は依然として巨大であるものの、供給側のボトルネックと競争の激化がすでに成長ペースを冷まし始めていることを示唆している。アナリストらは2026年通年の売上高予想を、当初の212億元から167億元に下方修正している。
寒武紀の上半期の記録的な業績は、ほぼすべてが政策によって作り出された「代替需要」によるものである。米国の輸出禁止がNVIDIAの供給を絶ち、中国政府が国内企業に国産品の購入を命じた。その結果、上場企業の中で最も恩恵を受けたのが寒武紀だった。第2四半期の業績が市場コンセンサスを上回ったことは需要の強さを証明するが、在庫の積み上がりと利益成長の減速は、今後の「生産・納入力」と「キャッシュフロー創出力」が正念場にあることを示している。