2026年8月10~11日、ウクライナが北朝鮮製と断定するロシアの弾道ミサイル攻撃が、ザポリージャのZaporizhstal製鉄所複合施設を直撃した。この攻撃で7人の従業員が死亡、21人が負傷した。攻撃は発電設備やインフラを損傷し、Metinvest社はZaporizhstalの全面操業停止を余儀なくされた
。鉄鋼業界全体は、送電網への攻撃に常時さらされており、2026年上半期の鉄鋼生産はすでに戦争関連の混乱によって圧迫されていた
。
大オデーサ港の閉鎖により、ウクライナの主要な海上輸出ルートは事実上断たれた。陸路やドナウ川ルートでは失われた輸送能力を代替できない。直接的な試算では、輸出減少によるウクライナ冶金業界の月間損失は1億5000万~2億ドルに上る
。海路が使えないため、石炭の輸入は欧州の港を経由してウクライナまで鉄道輸送せざるを得ず、そのコストは約2倍になり、石炭価格を最大15%押し上げる
。この封鎖により、Metinvest社の鉱山事業も採掘量を約30%削減せざるを得なくなっている
。
鉄鋼生産の崩壊。 GMK Centerの予測によると、2025年の鉄鋼生産量740万トンから、2026年には大幅に減少し、圧力が続けば約500万~550万トンに落ち込む可能性がある。Zaporizhstalだけでも、生産能力の半分が遊休化するリスクを抱えている
。
財政・外貨準備の悪化。 鉄鋼と鉄鉱石は依然としてウクライナ最大の輸出収入源の一つである。輸出収入の減少、生産量の低下、投入コストの増加は、税収を減らし、貿易赤字を拡大させ、フリヴニャと国家予算にさらなる圧力をかける。ウクライナは現在、外国からの援助に大きく依存している時期でもある。
構造的な脱工業化リスク。 アナリストは2026年を潜在的な「転換点」と表現する。業界は初めて、コスト面と収益面の両方から同時に圧迫されているのだ。もしEUが現在の割当制度とCBAMをウクライナに適用除外することなく維持すれば、たとえ戦闘が終結した後でも、ウクライナの鉄鋼業界は完全に回復できない可能性がある。