この急増は、まさに「待っていました」とばかりにADNOCが遊休設備をフル稼働させた結果です。OPEC割当下では生産上限が350万バレル/日程度に制限されていたため、同社は長年、実際の設備能力を十分に活かせずにいました。
ADNOCは、特に成長市場であるアジアへの販売を積極化。2026年6月前半だけでも、インド、中国、韓国、日本の精製企業やトレーディング会社に対し、少なくとも3000万バレルのスポット原油を販売しました。
この勢いはとどまるところを知らず、ロイターの集計によると、その後8月半ばまでに7回の入札を通じて累計のスポット販売量は9400万バレルを超えました。この積極的な販売戦略により、UAEは中東産油国の中でアジア市場でのシェアを着実に拡大しています
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UAEの野望は、単なる現状の生産増加にとどまりません。
ADNOCの掘削子会社は、政府から許可されれば500万バレル/日を超える生産能力拡大も可能であると表明しています。また、スハイル・アル・マズルーイ・エネルギー相は、必要があれば生産能力を600万バレル/日まで引き上げることも可能だと述べています
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OPEC離脱からわずか数日後、ADNOCは設備投資計画の大幅な前倒しを発表しました。
ADNOCは、上流(探鉱・生産)から下流(精製・石化)にわたるプロジェクトに対し、2026~2028年の期間に最大550億ドル(約2000億UAEディルハム)を投じる計画を明らかにしました。これは、既に発表されていた1500億ドルの5カ年計画の一部であり、同社の成長戦略の加速を意味します
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具体的な計画としては、国内最大のガス処理施設であるハブシャン施設に新しいガス処理ユニットを建設し、さらにルワイスに新たなガス輸出施設を建設する予定です。この投資は、UAEのポストOPEC戦略が原油だけに留まらないことを示しています。
ADNOCは、新たなフロンティアとして非在来型資源の開発にも乗り出しています。
ADNOC上流部門のCEOであるムサベ・アル・カービ氏は、2026年5月に、フランスのトタルエナジーズと共同で進める非在来型ガス事業について年内に最終投資判断を行う見通しであると発表。さらに、非在来型原油プロジェクトもその後すぐに承認される見込みであると述べました。
このシェールスタイルの生産が軌道に乗れば、UAEの生産の柔軟性はさらに高まります。
これらの一連の動きは、UAEが自国の石油資源をどのように管理するかという根本的な姿勢の変化を象徴しています。
UAEの変貌は、世界の石油市場に大きな影響を与えています。同国はもはや、割当に制約されることなく、自らの意思で生産量を決定できる「解放された産油国」となりました。
既に数百億ドル規模の投資がコミットされており、2027年までに500万バレル/日以上の生産能力を達成する明確な軌道に乗っています。2026年6月の初期データは、UAEの「自らの道を行く」という決断が早期に正しかったことを示すものとして、市場関係者の間で受け止められています。
日本のような主要な石油輸入国にとっても、この動向は注視すべきものです。供給源の多様化という観点から、UAEの新たな戦略は中長期的なエネルギー安全保障に影響を与える可能性があります。特に、ADNOCがアジア市場向けに積極的なスポット販売を展開していることは、日本を含むアジアの精製企業にとって新たな調達オプションを提供しています。