6月25日には、全社規模の大規模採用を開始。「全部門の規模を少なくとも倍増する」と明言し、33職種・7カテゴリーにわたる採用を発表しました 。同年8月のキャンパス採用では、「フルスタック開発エンジニア(Agent Harnessチーム)」などの専用ポジションも登場しています
。
8月2日には、オープンソース開発者を対象に「DeepSeek Harness」のクローズドベータテストを開始。8月12日には、Harness Team専用の公式SNSアカウント(WeChatなど)を開設し、求人情報も投稿。これにより、同社が初めてプロダクト志向を公に示すことになりました 。
7月31日には、DeepSeek-V4-Flash-0731(GAリリース)を公開。これは284B(総パラメータ)/13B(活性化パラメータ)のMixture-of-Expertsモデルで、100万トークンのコンテキストをサポート。エージェント向けのコーディングタスクに特化した再ポストトレーニングが施され、公開されているすべてのエージェントベンチマークでV4-Pro-Previewを上回る性能を示しました 。
V4 Pro Previewでは、ツール実行結果のラウンドや新しいユーザーメッセージ全体にわたって推論履歴を保持するように改良(従来は破棄されていた)。NVIDIAのドキュメントでは、同モデルを「エージェント型AIアプリケーション、ツール使用シナリオ、複雑な問題解決」に適していると位置づけています 。
API面では、Responses APIとCodex互換のエンドポイントをネイティブサポート。また、既存のOpenAI互換エンドポイントに加えて、Anthropicフォーマット互換も追加されました 。
DeepSeekは2026年6月、初の外部資金調達ラウンドをクローズ。調達額は約74億ドル(500億元)、評価額は500億~590億ドルとされ、テンセントとCATLが主要な外部投資家となりました。創業者の梁文鋒(Liang Wenfeng)氏は議決権のない株式を通じて経営権を維持しています 。
続いて7月には、さらに約800億ドル(740億ドル相当)のセカンドラウンドを計画しましたが、創業者の発言がリークされたことを受け一時中断。その後8月6日に再開し、Monolith Managementが参加交渉中と報じられています 。
DeepSeekは、最先端のNVIDIA GPUへのアクセスを制限する米国のチップ輸出規制のもとで事業を展開しています。MoE(Mixture-of-Experts)アーキテクチャやポストトレーニングのブレークスルーといった効率性の高い革新は、こうしたハードウェア制約のもとで培われたものです。V4-Flashが、より少ない活性化パラメータで大規模モデルを凌ぐ性能を示せたのは、このような背景があるからです 。
DeepSeekの躍進は、AlibabaのQwen、BaiduのErnie、Zhipu AIなど、米国のフロンティアモデルとの差を急速に縮めている中国のAIラボ全体の傾向を反映しています。DeepSeekのオープンソース戦略と極めて低いAPI価格は、米国の競合他社に価格面で圧力をかけています。そして今回のコーディングエージェントへの本格参入は、現在AnthropicのClaude CodeやGitHub Copilotがリードする、最も商業価値の高いAIアプリケーション分野に直接挑むものです 。