2026年8月10日、『Nature Microbiology』に掲載された米オレゴン健康科学大学(OHSU)ジョナ・サチャ博士率いる研究は、新生児の非ヒト霊長類(アカゲザル)において、生後72時間以内に投与した1回限りの3剤併用療法でHIV(サル版のSHIV)を永久に排除できることを示した
。これは、HIV治療において「生涯にわたる薬物療法」ではなく、「限られた初期介入で完治させる」というパラダイムシフトを予感させる画期的な成果である。
霊長類研究の核心:3剤の相乗効果
研究チームは、以下の3つの作用機序を組み合わせた:
- 標準抗レトロウイルス療法(ART):ウイルスの活発な複製を抑える。
- 広域中和抗体(bNAbs):血液中を漂う遊離ウイルスを中和する。
- CCR5阻害モノクローナル抗体「レロンリマブ」:HIVが免疫細胞に侵入する際に利用するCCR5受容体を物理的にブロックする
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各単独療法では不十分だった。 いずれか1剤だけでは潜伏ウイルスリザーバーの形成を防げず、治療を中止すると必ずウイルスが再燃した。しかし、3剤を同時に投与した群では、1年後に治療をすべて中止しても、血液や組織のどこからもウイルスが検出されず、抗ウイルス免疫応答すら確認されなかった![]()
。これは、リザーバーが形成される前に、ウイルスが増殖・感染できる「標的細胞」を完全に枯渇させたためと推測されている。
ヒト新生児治療への可能性
年間約12万人の乳児が母子感染でHIVを獲得するなか、この結果は次の大きな進展を示す: