こうした窮地の中、8月11日、ドナルド・トランプ米大統領がTruth Socialに投稿。FIFAがインファンティーノ会長を解任すれば「大きな過ち」になると警告した。トランプ氏は「彼は素晴らしい。史上最も成功したW杯を実現した。もし彼がいなくなれば、二度とあのような成功も収益性も得られないだろう」と絶賛し、2026年ワールドカップを「これまでで最も華々しい大会」と持ち上げた。
トランプ氏とインファンティーノ氏の関係は極めて親密だ。2025年末、インファンティーノ氏はトランプ氏に初代「FIFA平和賞」を授与。2026年W杯決勝では、トランプ氏はインファンティーノ会長の隣に座って観戦した。FIFAは、インファンティーノ会長の判断で、トランプ・オーガニゼーションに賃料を支払い、フロリダの「トランプ・ナショナル・ドーラル」ゴルフクラブを大会運営拠点として使用している。インファンティーノ氏はマール・ア・ラーゴ(トランプ氏の別荘)に通い詰め、「メラニア」ドキュメンタリーのプレミアにも出席し、トロフィーやメダルを贈るなど、トランプ氏への献身的な“ご機嫌取り”を展開してきた。
8月3日の報道によれば、インファンティーノ会長はこの危機に際し、トランプ政権に「自分の職を救うために助けてほしい」と懇願し、マルコ・ルビオ国務長官との極秘会談を求めた。ホワイトハウスは当初、インファンティーノ氏救済のための具体的な計画からは距離を置いていた。
次期FIFA会長選挙は、2027年3月18日、モロッコのラバトで開催予定だ。立候補には最低5つの加盟協会からの推薦が必要で、資格審査を通過しなければならない。立候補届け出の締切は2026年11月18日である。
勝利に必要な得票数は、FIFA211加盟協会の単純過半数である106票だ。インファンティーノ氏の現在の確実な基盤は、CAF(アフリカサッカー連盟、54票)+CONMEBOL(南米サッカー連盟、10票)+オセアニアサッカー連盟(11票)の計約75票。残り約31票を、UEFA、AFC、CONCACAFのいずれかから獲得する必要がある。一方、反対する3連盟は合計136票を有しており、統一候補を擁立できればインファンティーノ氏を確実に打ち負かすことができる。
すでにイングランドやウェールズなどのサッカー協会は、インファンティーノ氏の再選支持を取り下げ始めている。インファンティーノ氏は8月5日の危機的会合でFIFA首脳の支持再確認と謝罪声明を得てひとまず難を逃れたが、反乱の火は消えていない。
現時点で名乗りを上げている正式な対立候補はいないが、以下の名前が取り沙汰されている。
最大の不確定要素は、統一された挑戦者が現れ、締切までに5つの推薦を集められるかどうかだ。もし統一候補が現れなければ、空前の反乱にもかかわらず、インファンティーノ氏は2019年、2023年に続いて無投票再選される可能性もある。