この急増の背景には、3つの要因が同時に作用しています。すなわち、中国の太陽光パネルメーカーが歴史的な低価格で世界市場に供給を溢れさせていること、アフリカ全域で深刻化するエネルギー危機により家庭や企業が系統電源から離脱し始めていること、そして蓄電池価格の下落により、太陽光+蓄電池システムがディーゼル発電機に代わる現実的な選択肢になりつつあることです。
アフリカは2025年に18.2~18.8GWの太陽光モジュールを中国から輸入しました。これは2024年の12.7GWから48%の増加です。2026年3月だけでも、中国からアフリカ向けに出荷された太陽光技術関連製品は10GWに達し、前月比で176%増という記録的な伸びを示しました。
しかし、公式の設置容量はこれとは大きく異なります。世界太陽光協議会(GSC)によると、アフリカで2025年に新たに設置された太陽光発電容量は約4.5GWで、前年比54%増でした。この輸入量(18.2GW)と設置量(4.5GW)のギャップが、現在進行している現象を理解する鍵となります。
南アフリカは依然としてアフリカ最大の太陽光パネル輸入国であり、2025年6月までの12ヶ月間で3.8GWを輸入しました。しかし、そのシェアは3分の1を下回っており、他の市場の成長が急速に進んでいることを示しています。
ナイジェリアはエジプトを抜いて、2025年6月までの12ヶ月間でアフリカ第2位の太陽光パネル輸入国となり、1,721MWを輸入。2025年には803MWの新規容量を追加しました。2026年3月のナイジェリアの輸入量は前月比で**519%**急増しました。
エジプトは2025年の中国製パネル輸入量を倍増させて2.3GWとし、新たに500MWの容量を追加しました。アルジェリアの輸入量は0.35GWから2.1GWへと6倍に増加し、400MWの容量が追加されました。
2025年には、20のアフリカ諸国が太陽光パネルの年間輸入記録を更新し、25カ国がそれぞれ少なくとも100MWを輸入しました(前年は15カ国)。ナイジェリア、ケニア、エチオピアは2026年3月に初めて、単月で1GW以上の太陽光パネルをそれぞれ輸入しました。
輸入されたモジュールと公式に設置された容量との大きな乖離は、公式統計では捉えきれない分散型太陽光革命が起きていることを示しています。世界太陽光協議会は、2025年に新設された太陽光容量の44%が分散型システム(屋根置き、商業用、オフグリッド)によるものと推定し、この数字は過小評価されている可能性が高いと認めています。
現在、2つの並行した移行が進行しています:
アフリカは、完成したパネルよりも多くの太陽電池セルなど部品を輸入しており、現地での組み立てや分散型展開が進んでいることを示しています。
記録的な導入が進む一方で、投資フローは依然としていくつかの市場に集中しています。世界太陽光協議会は、大陸の大部分が深刻な資金不足に直面していると警告しています。オフグリッドや分散型プロジェクトは、大規模ユーティリティ案件と比較して、資金調達コストが高く、資本へのアクセスも限られており、エネルギー移行全体の足かせとなる可能性があります。
明るい材料としては、アフリカの系統連系型太陽光発電の2026年の新規追加容量が、2025年通年の実績を早くも上回っていることが挙げられます。これは投資環境が改善していることを示唆していますが、依然として一部の国への集中が課題です。