海事情報会社ウィンドワード(Windward)の衛星画像分析では、島にある3つのバースすべてが「長期間にわたり空の状態」であることが確認されている。6月には封鎖が一時解除され、3隻の大型原油タンカー(VLCC)がハルク島沖のシーアイランド・ターミナルで積み込みを行ったが、その後の封鎖再開で状況は一変した。
非営利団体「イラン核問題に反対する米国人連合(UANI)」の追跡によると、原油、燃料、LPGなどを積んだ約50隻のイラン船籍タンカーがペルシャ湾やオマーン湾のイラン沿岸に滞留しており、7月12日以降、イラン産原油を積んでペルシャ湾を無事に脱出したタンカーは一隻も確認されていない。
こうした中、イランとオマーンはホルムズ海峡の管理体制を根本的に見直す協議を進めており、8月初旬には「最終段階」に入ったと発表している。この合意は、世界の石油の約5分の1が通過する戦略的な水路の運用を根本から変える可能性がある。
イラン外務省報道官エスマイル・バガエイ氏は、両国間で航路の地理的座標が最終合意に達し、技術的・法的・安全保障・環境面を含む共同声明を準備中であると述べている。
イラン国営メディアが明らかにした合意の主な内容は以下の通り:
合意の最大の争点は通過料の設定である。イランは当初、貨物価格の**5~7%**を通過料として徴収する方針を示していた。これに対しオマーンは約3%を提案、米国は一切の課金に反対している。
オマーンは7月28日、湾岸諸国の支持を得た自主的な通過料を含む共同管理体制の提案をイランに提示したが、イランはこれを拒否し、より強硬な自国の提案で応じた経緯がある。米国政府はホルムズ海峡を「国際水域」と位置づけ、イランの支配や制限に強く反対している。
海運業界はこの合意に強く反発している。8つの海運ロビー団体のトップが連名で抗議の意を表明し、8月6日には業界筋が「米国の制裁と保険契約上の制約により、イランへの支払いは事実上不可能」と指摘、合意の実現性に疑問を呈した。欧州やアジアの顧客に悪影響が及ぶとの懸念も強い。
原油市場への影響は深刻で、封鎖再開と海峡通過の混乱を受け、原油価格は7月下旬に再び1バレル100ドル台に急騰した。ホルムズ海峡の通過隻数は、6月の停戦期間中の1日平均約45隻から、戦闘再開後は約13隻に**70%**減少し、7月下旬にはわずか3隻しか通過しない日もあった。
依然として米国の封鎖は継続されており、ハルク島は稼働を停止したままである。イラン・オマーン合意がこの膠着状態を打開する切り札となるのか、それとも海運業界や米国の反対により頓挫するのか、世界のエネルギー市場が固唾を飲んで見守っている。