月の影が最初に地球に触れるのは、シベリア北極圏の日の出時です。その後、影は北極域を通過し、グリーンランド東部、アイスランド西部を経て、スペイン北部とポルトガル北東部の一部に達します。この皆既帯の幅は約182~294キロメートルで、地球を横切るのにかかる時間は約96分間です。
最大継続時間は、アイスランド西海岸沖のデンマーク海峡付近で2分18秒に達します。その後、皆既帯はスペインを通過し、バレアレス諸島を経て、地中海に沈む夕日とともに終わります。
グリーンランドの人口の大半は島の西側に集中しているため、陸上で皆既日食を観測できる人はごくわずかです。そのため、観測には探検クルーズ船を利用するか、アイスランドやスペインに渡航するのが一般的な方法となります。
イギリスとアイルランドでは、皆既日食ではなく、夕方の早い時間帯に太陽が西西北西の空低くに見える「深い部分日食」が観測できます。主な都市の観測時刻(BST: イギリス夏時間 / IST: アイルランド標準時)は以下の通りです。
南西へ行くほど食分は大きくなり、カーディフでは約93%、ベルファストでは約93%、アイルランドのコークでは最大96%の日食が観測できます。最大食の際の太陽の高度はわずか10~16度と非常に低いため、西の地平線が開けていて、視界を遮るものがない場所を選ぶことが絶対条件です。天候については、イギリス西部やアイルランドでは雲が多い可能性が高く、東部や南部イングランドの方が晴天の確率が高いと見られています。
部分日食を含め、日食観測中は決して直接太陽を見ないでください。目を保護するためには、ISO 12312-2認証を受けた日食観測用グラスや手持ち式の太陽観測フィルターのみを使用してください。通常のサングラス、スモークガラス、フィルター無しのカメラや望遠鏡は危険ですので使用しないでください。
皆既日食帯の内側にいる場合、皆既中のごく短い時間だけは肉眼で観測しても安全ですが、太陽が再び姿を現し始めた瞬間に、すぐにまた保護グラスを着用しなければなりません。イギリスやアイルランドのように部分日食しか見えない地域では、観測中は常に日食観測用グラスを着用し続ける必要があります。
ペルセウス座流星群は、7月17日から8月24日まで活動し、2026年の極大は8月12日(水)夜から13日(木)明け方にかけてと予測されています。この極大日はちょうど新月(8月12日)にあたり、月明かりの影響を全く受けない、流星観測にとって理想的な暗い空が広がります。
空が暗い場所では、極大時に1時間あたり60~100個の流星が期待できます。観測のベストタイムは、放射点(ペルセウス座、北東の空に昇る)が最も高くなる現地時間の深夜0時以降です。ピークの予測時刻は8月13日14:53 UTCですが、8月12日夜遅くから13日明け方にかけて活発な活動が続くでしょう。
昼間に皆既日食を観測し、夜には月明かりのないペルセウス座流星群のピークを迎えるという、この2つの現象が同じ日に重なるのは極めて稀なことです。運が良ければ、皆既日食中の暗い空に、ペルセウス座流星群の流れ星が一筋、走るのを見られるかもしれません。
2026年8月12日は、昼と夜の両方で素晴らしい天体ショーを楽しめる日です。準備をしっかり整え、安全に配慮して、この特別な夜空を存分に味わってください。