2026年7月31日、ルービン天文台はEarly Data Preview 2(EDP2)を公開しました。これは、世界最大のデジタルカメラであるLSSTカメラで取得したデータに基づく、初の科学グレードデータです。公開された画像は、ろくぶんぎ座の方角にあるCOSMOSフィールドと呼ばれる領域を深く積算したもので、2025年4月から2026年1月にかけて取得した数百枚の個別画像を重ね合わせて作られました。
画像の中央部分には50万個以上の銀河と約5万個の恒星が写っており、その視野は満月の数倍の広さに及びます。このCOSMOSフィールドはもともとハッブル宇宙望遠鏡が集中的に観測した領域ですが、ルービン天文台のバージョンはより広く、より深く、銀河の進化やダークマターの分布、大規模構造の研究を前例のないスケールで可能にします。EDP2には、生データや較正済み単一エポック画像、積算画像、差画像、検出カタログなどが含まれ、すぐに科学研究に利用できます。
データ公開の直後、ルービン天文台は超新星SN 2026gzfの観測に重要な役割を果たしました。これは、2026年3月21日に中国のX線天文衛星アインシュタイン・プローブが「EP260321a」として初めて検出したX線フラッシュで、約5億光年彼方の銀河で発生しました。
ルービン天文台は、ダークエネルギーカメラ(DECam)やキットピーク国立天文台のメイヨール4メートル望遠鏡(DESI搭載)などと連携し、検出から数時間以内に観測を開始しました。この観測により捉えられたのはショックブレイクアウト、すなわち恒星の爆発波が星の表面を突き破り、超新星として最初の光を放つ瞬間です。
天文学者が大質量星の死におけるこれほど初期のショックブレイクアウトを捉えたのは、過去20年で2回目とされています。カーネギーメロン大学が主導する国際共同観測キャンペーンにより、SN 2026gzfのショックブレイクアウトは、ブロードラインIc型超新星に付随するものとしては過去最も暗い部類であり、熱X線放射のピーク光度は2.2×10⁴⁴ erg/sであったことが明らかになりました。
ルービン天文台は2026年6月下旬に、**Legacy Survey of Space and Time(LSST)**を正式に開始しました。これは南天の空を10年かけて観測する計画です。
LSSTは、口径8.4メートルのシモニー調査望遠鏡に搭載された32億ピクセルのカメラを使い、数夜ごとに可視空全体を撮像します。この10年間で、超広視野・超高精細の宇宙のタイムラプスムービーを作り上げ、これまでにない最も包括的な宇宙の記録を生成します。
全世界から約2,800人の科学者が参加しており、ダークエネルギー、ダークマター、天の川銀河の構造、太陽系(地球近傍天体を含む)、そして超新星のような突発現象を研究します。このサーベイは毎晩数百枚の画像を撮影するよう設計されており、試験運用段階ではすでに一晩で80万件の突発天体アラートを発出する能力を実証しています。