この流れは、2025年半ばまでの状況から一変している。2025年7月には、台湾への外国人資金流入がAI楽観論を背景に約20年ぶりの高水準(1ヶ月で77.8億ドル)に達していた。しかし2026年7月に入ると、資本は混雑したAI取引から逃避し、売りは台湾と韓国に集中した
。外国人投資家は2026年6月、韓国株を過去最大の323.7億ドル売り越し、売り越しは5ヶ月連続となった
。
グローバルヘッジファンド全体では、JPモルガンによると、7月にテクノロジー関連の手仕舞いで2026年の利益の約3%を失ったが、全戦略で年初来約8%のプラスを維持している。しかし、アジアに特化したファンドの傷ははるかに深い。
今回の上昇相場の狭さは構造的な懸念事項となっている。TSMCはMSCI台湾指数の約58%を占め、サムスン電子とSKハイニクスの2社でMSCI韓国指数の50%超を構成する。これら3つの半導体銘柄は、MSCI新興国指数全体の約25%、そして同指数の2026年年初来リターンの約70%を生み出している
。2026年6月末時点で、AI主導の上昇相場により、MSCI新興国指数の上位10銘柄への集中度は約40%に達し、S&P500の約36%を上回り、過去20年間で最高の水準となっている
。この極端な集中が、調整局面に入った際にアクティブファンドマネージャーに痛みを伴うポジション整理と投げ売りを強いた
。
現在の環境は、集中したAIテーマへのパッシブなエクスポージャーから距離を置くことを示唆している。アナリストは、今後の行方を左右する要因として以下を挙げている。
ストラテジストは、指数の上位集中が緩和され、混雑したポジションの巻き戻しがさらに進むまでは、ボラティリティの高い状態が続く可能性が高いと警告している。現在の混乱を乗り切る方策として、支配的な3社以外への分散化、質とバリュエーション規律への注力、最も混雑した銘柄を避けるアクティブ運用が最も一般的に推奨されている。