AI関連の巨額設備投資への懸念や半導体株(特にエヌビディア)の下落、中国の半導体競争力を警戒する声が強まったことで、AI関連株から資金が流出しました 。ニューヨーク・タイムズは7月28日付で「AI投資と中国の半導体を巡る懸念でハイテク株が下落」と報じ、ロイター通信も「中国との競争懸念でアジア半導体株が急落」と伝えています 。
中国ハイテク株は2026年に入り年初来で約9%下落しており、割安感が強まっていました 。アリババが新たなAI製品「Qwen AI」のプレビューや、即時配送事業の損失縮小を発表したことで、セクター全体に買いが波及しました 。7月8日にはアリババ株が11.05%急騰し、終値は108.98ドルとなりました。これはQwen AIとアリババクラウドの収益拡大への期待が要因です 。ただし、2026年度の営業利益は64%減少し、営業利益率は5%に低下しており、本格的な再評価には至っていないとの見方もあります 。
エネルギー価格の下落と、軟調な米雇用統計を受けて、FRBが追加利上げに踏み切らないとの見方が強まり、中国株への資金流入を後押ししました 。ロイター通信は「エネルギーコストの低下と米雇用統計の弱さが相まって、FRBの利上げリスクが後退した」と報じています 。
| ティッカー | 企業名 | 代表的な上昇率 | 主な日付 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| BABA | アリババ | 7月8日に+11%、7月31日に+3.4% | 7月8日、31日 | |
| LI | 理想汽車(Li Auto) | 7月29日に約6%、その他複数日で2~6% | 7月29日など | |
| NIO | 蔚来汽車(NIO) | 7月29日に約5%、中国ADRが上昇したほぼ全ての日に上昇 | 7月29日など | |
| XPEV | 小鵬汽車(XPeng) | 7月16日と29日に+4%、その他複数日で3~5% | 7月16日、29日など | |
| BIDU | 百度(Baidu) | 7月8日に約5%、その他複数日で2~6% | 7月8日など | |
| PDD | PDDホールディングス | 7月1日に約6%、その後の大幅上昇日で2~4% | 7月1日など | |
| BILI | ビリビリ(Bilibili) | 複数日にわたり3~5%上昇 | 7月中の複数日 | |
| HXC | ナスダック・ゴールデン・ドラゴン・チャイナ指数 | FOMC後(7月29~31日)に+1.7%、同期間のナスダック100は▲2.1% | 7月29~31日 |
複数のアナリストは、今回の中国ADR上昇を「短期的なモメンタム」「一時的なセンチメント改善」と評価しており、ファンダメンタルズの構造的な改善によるものではないと指摘しています 。FRBが利上げを示唆したり、AI関連企業の決算が期待を下回ったりした場合、この資金シフトは急速に巻き戻される可能性があります 。また、インフレ率が5年間にわたり目標を上回る状態が続いていることも、今後の懸念材料です 。