サービス部門の収益は、過去最高の307億ドル(前年同期比12%増)を記録したものの、前四半期の16%成長から鈍化し、市場予想にも届きませんでした。
CFOのケバン・パレック氏は決算説明会で、以下の3つの要因を挙げています:
米国: Epic Games訴訟で、連邦判事がAppleに対して外部リンク購入に27%の手数料を課すのは contempt(法廷侮辱)に当たるとの判断を下しました。Appleはこの判断を不服として、最高裁判所に上告しています。
欧州連合(EU): 欧州委員会は2025年4月、デジタル市場法(DMA)違反を理由にAppleに5億ユーロ(約5.7億ドル)の罰金を科しました。Appleは2025年6月にEU向けApp Storeのルールを変更し、サードパーティー製ストアの許可や外部取引への20%手数料導入などを行い、次の制裁を回避しました。EU規制当局は2026年7月下旬にこれらの変更を受け入れました。
日本: 2025年12月、Appleは日本の公正取引委員会の要求に応じ、日本国内で代替アプリストアとサードパーティー製決済処理を許可することに合意しました。
ブラジル: 2025年12月のCADE(ブラジル競争当局)との和解に基づき、Appleは2026年6月からiOS上で代替アプリマーケットプレイスとサードパーティー決済を認めています。
2026年6月30日、米国最高裁判所は、Epic Games訴訟における contempt(法廷侮辱)認定に対するAppleの上告を審理することを決定しました。争点は、Appleが外部リンク購入に課す27%の手数料が、以前の裁判所命令に違反するかどうかです。Appleは手数料は合法と主張し、Epic Gamesはリンクを経済的に持続不可能にするよう設計されたと反論しています。この訴訟(Apple Inc. v. Epic Games, Inc., No. 25-1311)は、2026~27年の法廷期に審理される見込みです。
経営陣は、関税還付と部品コストの低下が粗利益率の拡大に寄与したことを明らかにしました。報告された粗利益率は46.5%(前年同期は45.3%)で、6月期の関税関連 Benefits は約8億ドルに上ります。Appleは9月期には関税コストが約11億ドルに増加すると予想しています。
好決算とは裏腹に、Appleは第4四半期(9月期)の売上高について、次期iPhoneの生産立ち上げに伴うサプライチェーンの制約や部品不足を理由に慎重な見通しを示しました。また、関税の影響が四半期で約2倍に拡大するとも警告しています。これを受け、株価は時間外取引で約3%下落しました。
| 指標 | 2026年第3四半期実績 | 前年同期比 | 市場予想との比較 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,094億ドル | +16% | 上回る |
| EPS(希薄化後) | 2.02ドル | +29% | 上回る |
| iPhone | 542.5億ドル | +21.7% | 上回る(予想538.6億ドル) |
| Mac | 103.5億ドル | +28.7% | 上回る(予想87.4億ドル) |
| サービス | 307億ドル | +12% | 下回る(前四半期は16%増) |
| 粗利益率 | 約46.5% | +120bp | — |
参考: 2025年度第3四半期(2025年6月28日締め)の実績は、売上高940億ドル(前年同期比10%増)、EPS 1.57ドル(同12%増)でした。iPhone売上高は445.8億ドル(同13%増)、サービス収益は274.2億ドル(同13%増)で、すべてのセグメントで堅調な成長を記録しています。