ウクライナ保安庁(SBU)とウクライナ参謀本部はペルミ製油所への攻撃を確認した。同製油所は年間処理能力が1300万トンを超えるロシア最大級の施設である。監視情報サイト「Exilenova+」は目撃映像をもとに施設上空に厚い黒煙が立ち上っていると報じた。ペルミ地方知事のドミトリー・マホーニンは「産業施設」への攻撃を認め、複数のdroneが迎撃されたと述べた。一次原油精製装置への直撃が確認されている。
7月28日から29日にかけての夜間、ウクライナはロシア中央部リャザンにあるロスネフチ所有のリャザン製油所を攻撃し、火災が発生した。攻撃はウクライナ特殊作戦軍の長距離攻撃部隊とロシア国内の抵抗運動「ブラック・スパーク」の協力により実施された。リャザン州知事パーヴェル・マルコフは産業施設への攻撃を認め、6人が医療措置を受けたと発表した。また、近くのワイルドベリーズ物流倉庫もdrone攻撃を受け、避難が行われた。ワイルドベリーズの倉庫は数日間に少なくとも7か所が被害を受け、保管容量の約10%が失われたという。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は両製油所への攻撃をSNSで認めた。
7月29日から30日未明にかけて、ウクライナ国防軍は一時的に占領されているザポリージャ州のプリモルスキー・ポサド軍事訓練場を攻撃した。参謀本部はこれをロシアの軍事・経済能力を低下させるための広範な取り組みの一環と説明している。
7月29日の攻撃は、2026年に入り本格化した持続的な攻勢の最新のものだった。この作戦により、2026年7月までにロシアの上位10製油所のうち9基が攻撃を受けた。モスクワ製油所だけでも少なくとも3回攻撃され、2026年5月の攻撃で操業を完全に停止。6月の攻撃では残っていた精製能力の大半を担う2基の主要装置が損傷した。
この100日間でウクライナはロシアの大型製油所34基のうち少なくとも24基を約50回攻撃した。IEA(国際エネルギー機関)は2025年10月時点で、drone攻撃の影響でロシアの製油所処理能力は少なくとも2026年半ばまで抑制されると予測していた。
原油処理への影響: 持続的な攻撃により、ロシアの原油処理量は21年ぶりの低水準に落ち込んだ。2026年7月上旬の平均処理量は日量391万バレルで、商品データ分析企業クプラーは7月の現時点で約日量380万バレルとさらに低い数字を報告。製油所の停止・被災能力は日量約430万バレルに上る。ロシアの原油生産量も2026年5月に1年ぶりの低水準(日量900万9000バレル)となり、製油所が原油を受け入れられなくなったことで一部の上流生産が削減を余儀なくされた。
国内燃料不足: 製油所の損傷によりロシア国内で深刻な燃料不足が発生。ブルームバーグは「精製能力の急減が国内の燃料危機を深刻化させた」と報じた。ロシア政府は軽油輸出を2026年7月末まで禁止、これまでに導入したガソリンやジェット燃料の輸出制限に追加する措置を取った。アナリストは累積的な損傷によりロシアの消費者や産業向けのガソリン・軽油不足が深刻化していると警告した。
世界のディーゼル価格: 主要なディーゼル輸出国であるロシアの精製能力喪失により、世界市場でディーゼル価格が上昇した。ロシアの精製燃料輸出能力が崩壊したことで、市場への供給が同時に圧迫された。
滞留する原油: ウクライナのdrone攻撃によりロシアが原油を国内で精製できず、未処理のまま海外に輸出せざるを得なくなった結果、2026年7月中旬時点で約1億3500万バレルのロシア産原油が海上で滞留している。
| 標的 | 所在地 | 日付 | 攻撃手段 | 確認された結果 |
|---|---|---|---|---|
| ルクオイル・ペルミネフテオルグシンテス製油所 | ペルミ(ウクライナから約1500km) | 2026年7月29日 | 原油精製装置へのdrone攻撃 | 大規模火災、一次精製装置被災 |
| リャザン製油所(ロスネフチ) | ロシア中央部リャザン | 7月28~29日深夜 | 特殊作戦軍+ブラック・スパークによるdrone攻撃 | 火災、6人が医療措置 |
| ワイルドベリーズ物流倉庫 | ロシア中央部リャザン | 2026年7月29日 | drone攻撃 | 火災、倉庫避難 |
| プリモルスキー・ポサド軍事訓練場 | 占領下ザポリージャ | 2026年7月29~30日 | 軍事攻撃 | 標的被災、参謀本部確認 |