しかし、その和平への動きは7月28日~29日、イラン革命防衛隊(IRGC:Islamic Revolutionary Guard Corps)が、ヨルダン国内にある米軍基地(特に米中央軍CENTCOMが展開するムワッファク・サルティ空軍基地)に対して、事前の警告なしに弾道ミサイルの一斉射撃を実施したことで、完全に崩壊しました。米軍は、28日のミサイルはすべて迎撃に成功したと発表しています。しかし、これとは別に、7月17日に発生したイランによる同基地へのミサイル攻撃では、兵士用のモジュール式宿舎が直撃し、米軍兵士2名が死亡する悲劇が起きていました。
トランプ大統領は7月23日、Axiosのインタビューに対し、「私は史上最大の攻撃を検討している。かつてない規模だ」と述べ、作戦名「エピック・フューリー(Operation Epic Fury)」における既存の攻撃をはるかに超える規模の軍事行動を本気で検討していることを明らかにしました。7月24日には、国家安全保障担当の高官らと緊急会合を開き、対応を協議しました。一時は即時の全面戦争を回避したと報じられましたが、7月29日のイランによる最新ミサイル攻撃を受けて、大統領はFox Newsのインタビューで「彼らを叩きのめす」と強気の姿勢を鮮明にし、更なる大規模な応酬を予告しました。
7月28日~29日、米国とサウジアラビアはイラク東部において、親イラン武装組織の拠点に対して共同で精密空爆を実施しました。この攻撃は主に、イランの影響下にある民兵組織群である「人民動員隊(PMF:Popular Mobilization Forces)」を標的としたものです。サウジアラビアは、これらの組織がサウジの石油施設に対して無人機攻撃を行ったことへの報復だと述べています。この空爆により、少なくともPMF戦闘員20名が死亡しました。イラクのアリ・アル=ザイディ首相は国家安全保障会議の緊急招集を命じ、「危険なエスカレーションだ」として猛反発しており、米・イラン戦争に新たな「イラク戦線」が開かれた形となりました。
オマーンは、紛争によって通行が混乱しているホルムズ海峡の再開に向け、米国とイランの仲介を続けています。オマーン政府は7月27日、テヘランとの協議は「進展している」と発表しました。しかしながら、イランがオマーン提案の「海峡共同管理」を拒否したという具体的な報道は、現時点では提供された情報源から確認できておらず、この点については引き続き注視が必要です。
一連の紛争激化はエネルギー市場を大きく混乱させており、複数の報道が原油価格の高騰を指摘しています。タイム誌(7月25日付)は、このエスカレーションがエネルギー価格の急上昇に直結していると明言しています。湾岸地域のエネルギーインフラへの断続的な攻撃やホルムズ海峡の混乱は持続的な価格上昇圧力となっており、北海ブレント原油先物価格は1バレル=100ドルを超える水準で推移しているとみられます。
※留意点: 提供された情報源に基づき、外交的停戦の崩壊、イランによるヨルダン米軍基地へのミサイル攻撃、トランプ大統領の「大規模攻撃」示唆とその後の応酬、米サウジ合同によるイラク空爆、そしてオマーン仲介の海峡協議継続については確認が取れています。一方で、イランによるオマーン提案の「海峡共同管理」拒否の詳細、および7月30日時点での北海ブレント原油の正確な価格水準については、今回の検索範囲では独立した裏付けを取ることができませんでした。