ウガンダで確認された20人の感染者のうち、15人はDRCからの輸入症例で、5人は国内での二次感染だった。コンゴ国籍の2人が死亡し、その他に可能性例として1人の死亡が報告されている。最後の患者は2026年7月16日に治療施設を退院し、これにより42日間のカウントダウンが開始された。ウガンダでは2026年6月21日以降、新たな感染者は報告されていない。
DRCでは、2026年5月14日にイトゥリ州でブンディブギョウイルスによるアウトブレイクが初めて報告され、これは記録上最大級かつ最も急速に拡大するエボラ流行の一つとなっている。WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務局長は2026年7月16日、「対策が流行に追いついていない」と警告している。比較として、2018~2019年のDRCでのエボラ流行は確定症例2,000人に達するまでに10ヶ月以上を要したが、今回は約2ヶ月で到達した。
公式情報による主な患者数は以下の通り。
DRCとウガンダ以外にも、ヨーロッパで輸入症例が確認された。フランスではDRCから帰国した医師が感染したが、完全に回復し二次感染はなかった。ドイツでも症例が報告されている。
ウガンダは2026年5月27日、DRCとの国境を一時的に封鎖した。許可されるのは流行対策要員、人道支援活動、必需品の貨物輸送、および許可された旅行者のみで、入国者は全員が厳格な健康診断と監視の対象となった。
米国疾病予防管理センター(CDC)は2026年5月27日、ウガンダとDRCに対してレベル4の「渡航中止」勧告を発出し、不要不急の渡航を制限した。米国務省も同様の勧告を発出している。カナダもアウトブレイクを受けて両国への渡航制限を実施した。
今回の流行の深刻さを決定づける重要な要因の一つが、ブンディブギョウイルスに対して承認されたワクチンや治療薬が全く存在しないことだ。メルク社のエルベボワクチンはザイールエボラウイルスに対してのみ承認されており、ブンディブギョウイルスには適応がない。ブンディブギョウイルス特異的なワクチン候補(rVΔ/BDB-GP)は、エルベボと同じプラットフォームを用いて非ヒト霊長類で生存率の向上が確認されているが、未承認である。動物モデルのデータからは、エルベボがブンディブギョウイルスに対して部分的な交差防御を提供する可能性が示唆されているが、2026年7月初旬の時点で臨床的なエビデンスは存在しなかった。WHOは、エルベボの使用は慎重に設計された研究目的以外では推奨しないとしている。
これを受けて、アフリカ疾病予防管理センター(アフリカCDC)とそのパートナーは、メルク社のエルベボワクチンがブンディブギョウイルス株に対しても防御効果を発揮するかどうかを検証する臨床試験をDRCで開始する準備を進めている。2026年7月に『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に発表されたヒト血清学研究では、エルベボが部分的な防御を提供する可能性が示され、この試験の妥当性を支持する結果となった。これらの試験は、DRCの最前線で働く医療従事者の保護を目的としている。しかし、アフリカ医薬品庁(AMA)は、「既存の対策では適応なしに十分な防御を提供することは困難」と述べており、依然として不確実性が高いことを強調している。
今回のエボラ流行は、複数の深刻な構造的問題に直面している。
結果として、地域内で明暗が分かれる構図となった。ウガンダは迅速な国境封鎖と監視、全確定症例の治療により、越境流入を封じ込めることに成功した。一方、DRCの流行は、承認された医療対策がないまま、深刻な運用上の課題を抱えながら加速し続けている。