プロジェクトは、オペレーターである Eni と TotalEnergies による 50/50の共同事業(ジョイントベンチャー) で進められます。生産されるLNGは両社が均等にマーケティングし、各社が年間140万トン(合計で年間280万トン)を担当します。
クロノスガス田の ガス原始埋蔵量(GIIP)は3兆立方フィート(Tcf)以上 と推定されています。キプロス政府による初期の見積もりでは、回収可能な資源量は約3.1Tcfとされています。
クロノスガス田で生産された天然ガスは、海底パイプラインでエジプトの既存LNG液化・輸出インフラに送られます。
このFIDは、欧州のガス市場に深刻なストレスがかかる中で成立しました。
FIDは当初、2026年3月末 までに下されると見込まれていました。キプロスのエネルギー相は2026年2月に議会でそのスケジュールを明言していました。しかし、決定は 3月から7月にずれ込み、キプロス政府内にはフラストレーションが広がりました。2026年3月のキプロス・エジプト首脳会談では両国の結束がアピールされましたが、Eniの決定遅延が影を落としました。TotalEnergiesのPatrick PouyannéCEOは、FIDを「7月末に全力で目指している」と述べ、実際にその期限ぎりぎりで決定は下されました。
遅延の公的な理由は明らかにされていませんが、エジプトとの三者間HGAの複雑な調整、第三者向けLNG処理(トーリング)の商業条件の最終調整、そして不安定な国際市場の中での事業者各社の内部的な資金配分の難しさなどが背景にあったと見られます。
クロノスFIDが持つ意義は極めて大きいと言えます。