解析の結果、アンドロメダ銀河全体における星形成率(新しい星が生まれるペース)は、過去5億年にわたって緩やかに減少していることが判明。そして特に、過去4000万年で減少が劇的に加速していることが確認されました。具体的な数字について、NASAの発表では5億年という長期的なトレンドと最近の急落が報告されていますが、5億年全体を通した単一の減少率パーセンテージは示されていません。
この星形成の減速は、アンドロメダのディスクの大部分で見られます。研究チームは銀河の画像を一辺300光年の小さな区画に分割し、それぞれの区画ごとに星形成の歴史を分析。その結果、銀河のリング構造(環状の星形成領域)で特に星形成率の低下が顕著であることがわかりました。
研究者らは、この減速の主な原因として、星の材料となるガス(水素ガスなど)の枯渇を挙げています。銀河は長い年月をかけてガスを星へと変換し続けるため、やがてガスが減り、星形成活動は次第に沈静化していきます。
この現象は、アンドロメダ銀河が活動的な星形成を続ける「若い渦巻銀河」から、より静かで落ち着いた「中年期(middle-aged)の銀河」へと進化しつつあることを示している可能性があります。
アンドロメダ銀河のすぐそばにはM32(メシエ32) という小さな衛星銀河が存在します。過去の研究では、このM32がアンドロメダ銀河の星形成に何らかの影響を与えた可能性が示唆されています。しかし、今回の2026年の研究では、この5億年にわたる減速の直接的な原因としてM32を特定していません。ただし、M32の近くに星形成が特に少ない「デッドゾーン」のような領域が確認されており、今後の研究が待たれます。
今回の研究論文の著者らは、ハッブル宇宙望遠鏡が提供したこの詳細な星形成マップが、次世代の大型天文台(例:ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡や将来の超大型望遠鏡など)がさらに調査を進めるための基礎となると述べています。
この発見は、銀河がどのようにして誕生し、進化し、やがて静かに年老いていくのか、その壮大なライフサイクルを理解する上で重要な手がかりを与えるものです。