米国の関与の全面的拒否
イランは「ホルムズは(米軍ではなく)イランの指揮下にある」と宣言し、「地域の安全保障は、介入の終結と米国の地域からの撤退によって確保される」と主張しています。イランの高官筋は、米国を含むいかなる取り決めも受け入れないとしています。
管理権と通行料徴収の堅持
イランはホルムズ海峡の長期的な支配権を維持し、オマーンとの協力の下で船舶に対する通行料(トール)制度を導入する方針を固めています。戦前、この海峡は世界の炭化水素生産量の20%以上を輸送しており、イランはこの通行料モデルによって自国の権限を正式なものにしたい考えです。イランは、通行料の徴収について唯一の、または主導的な管理者となることを主張しています。
最近の進展主張
イランは2026年7月26日、米国がイランへの攻撃を再開する中でも、海峡管理に関するオマーンとの協議で進展があったと発表しました。しかし、後述するオマーンの地域コンソーシアム案に対しては、これまでのところ反対の立場を示しています。
「エピック・フューリー作戦」
2026年2月28日、米国とイスラエルはイランに対する大規模な共同空爆作戦(コードネーム「エピック・フューリー作戦」)を開始。この攻撃で最高指導者アリ・ハメネイ師が死亡し、イランはイスラエルや湾岸諸国に向けて数百発の報復ミサイルを発射しました。
イランによる海峡封鎖
報復措置として、同日中にイランの革命防衛隊がホルムズ海峡を封鎖し、無許可の通行を禁止しました。
4月の完全封鎖
2026年4月18日、米国がイラン港湾に対する海上封鎖を実施した後、イランはホルムズ海峡を完全に閉鎖し、船舶に対する発砲を行いました。
停戦崩壊と戦闘再開
同年7月初旬、イランが海峡内の商船を攻撃したことを受け、一時的な停戦は崩壊しました。米国は7月14日に海上封鎖を再開し、イランに対する複数回の空爆を実施。イランはこれに報復し、バーレーン、クウェート、カタール、ヨルダン、そしてオマーン国内の標的を攻撃しました。
2026年2月の協議
オマーンは2026年2月6日と同月26日の2回、マスカットで米イラン間の間接協議を仲介しました。これらの協議はイランの核開発問題に焦点が当てられましたが、いずれも合意には至らず、外交官らはそれぞれの首都へ戻りました。
核合意の目前での決裂
2月28日、オマーンの外相は、イランがウラン濃縮の累積を行わないことに合意したと発表し、和平は「手の届くところにある」と述べました。しかし、その数時間後に米国とイスラエルによる空爆が開始され、外交ルートは完全に頓挫しました。
オマーンの仲介者からの除外
2026年6月までに、米国高官はオマーンが米国とイランの間の仲介役から外されたと発表し、スーファン・センターは7月初旬までに米イラン間の停戦が「明らかに崩壊した」と報告しました。
提案の内容
オマーンはイランに対し、地域共同メカニズム(地域諸国によるコンソーシアム) を設立し、ホルムズ海峡を集団的に管理する計画を正式に提示しました。この計画の下では、イランは海峡の単独管理権を行使しないことになります。この提案はマラッカ海峡をモデルとしており、船舶会社が自主的に資金を拠出し、航行支援、環境保護、捜索救難活動などを支援する仕組みです。
自主的な拠出金と二重航路構想
コンソーシアムは海洋安全、捜索救難、その他の地域協力を監督します。参加と拠出は自主的なものとされています。オマーンはまた、別の二重航路構想も浮上させており、オマーン領海を通る「南部回廊」は戦前の条件での自由航行とし、イラン領海を通る「北部回廊」は異なるルールが適用される可能性があります。
イランの反応
イランはこれまでのところ、このコンソーシアムモデルが自国の単独権限を弱めるとして、反対しています。イランは、自らが通行料徴収を主導する厳格な二国間(イラン・オマーン)の枠組みを好み、支払いは義務的であるべきと主張し、支払わない船舶は海峡通過を拒否されるとの立場です。
イランは、米国が軍事的に地域を支配しようとしており、「新たな地政学的現実」を受け入れようとしないと非難しています。また、米国の海上封鎖や空爆再開は、ワシントンがホルムズ海峡の管理において中立な当事者ではありえないことの証拠だと主張しています。テヘランはまた、オマーン外相が「米国は自国の外交政策の制御を失った」と述べ、イスラエルがワシントンを攻撃に引き込んだと非難したことに言及し、イスラエルの役割を批判しています。
海峡は許可されていない商業船舶に対してほぼ閉鎖された状態が続き、米国の封鎖は継続中です。断続的な空爆も行われており、イラン・オマーン協議は続いているものの、管理方式を二国間(イラン主張)とするか地域コンソーシアム(オマーン提案)とするかという根本的な問題で行き詰まっています。包括的な停戦や海峡再開の合意は成立していません。