両首脳の最大の争点は、EU加盟に向けた国民投票の実施方法だった。
プーチン大統領の立場:
モスクワは、アルメニア国民にEU加盟か、ロシア主導のユーラシア経済連合(EAEU)残留かの二者択一を迫る国民投票の早期実施を強く求めている。プーチン氏は以前、アルメニアがEUとEAEUの両方に同時に加盟することは不可能だと警告していた。電話会談後、クレムリンのペスコフ報道官は、パシニャン氏が国民投票の具体的な時期について言及しなかったと述べた。
パシニャン首相の対抗姿勢:
パシニャン氏は、EU加盟に関する国民投票は、アルメニアがEUに正式な加盟申請を行った後にのみ「事実上可能」になると主張し、プーチン氏の要求を退けた。また、ロシアとの関係を「離婚」と表現したプーチン氏の表現を否定し、現在の状態は「変容段階」にあると表現した。EU統合のプロセスが国民投票を必要とする段階に達していない、との認識も示した。
ロシアは2026年を通じて、アルメニアの親西方針への報復と広く見なされる一連の貿易制限措置を相次いで実施している。
こうした規制が長引く場合、アルメニアの経済成長、インフレ、社会情勢に重くのしかかるリスクがあると、世界銀行は警告している。
EUは、ロシアの圧力に対抗しアルメニアを支援するため、積極的な経済対策を展開している。
要約すると、7月27日の電話会談は現在の膠着した構図を象徴している。すなわち、パシニャン氏は経済圧力の緩和を求めつつ、モスクワが迫る「EUかEAEUか」の二者択一を先送りしようとしている。一方EUは、貿易自由化と財政支援でアルメニアを積極的に自陣営に引き寄せている。エレバンは、正式な加盟申請に向けて、段階的でありながらも着実に歩みを進めているのだ。