しかし、マイナス6.2%の為替影響が有機的成長を相殺し、報告ベースの売上高は前年比2.5%減の431億スイスフラン(約529億米ドル)となりました。純利益は35億スイスフランに減少し、前年同期の51億スイスフランから31.4%の大幅減益となりました。これは、リストラ費用の増加、資産の減損処理、および不利な為替換算の影響によるものです。
基礎となる1株当たり利益(EPS)は固定為替レートベースで4%増加しましたが、スイスフラン高の影響で実勢レートでは2.4%減少しました。フリーキャッシュフローは34億スイスフランに改善しました。基礎営業利益率(UTOPマージン)は10ベーシスポイント低下の16.4%、売上総利益率は20ベーシスポイント低下の46.4%でした。
| 指標 | H1 2026 | 前年同期比変化率 |
|---|---|---|
| 報告ベース売上高 | 431億スイスフラン | -2.5%(為替影響-6.2%) |
| 有機的売上成長率 | 3.6% | — |
| — RIG(数量・ミックス) | 1.5% | — |
| — 価格 | 2.1% | — |
| 純利益 | 35億スイスフラン | -31.4% |
| 基礎EPS(固定為替) | +4% | — |
| フリーキャッシュフロー | 34億スイスフラン | 大幅増 |
新興市場は好調で、中国は在庫調整期間を経て安定化の兆しを見せています。2026年1月に発表された乳児用調製粉乳のリコールは第1四半期の業績に影響を与えましたが、その影響は限定的であると説明されています。
最も重要な戦略的発表は、米国のプライベートエクイティ会社プラチナム・エクイティとの間で、ネスレのウォーター&プレミアム飲料事業を50対50の合弁会社「ペラネル(Peranel)」として分割することで合意したことです。この新会社は、ペリエ(ソースペリエ)、サンペレグリノ、アクアパンナ、ネスレピュアライフなど、120カ国で販売される30以上のブランドを擁します。
※56億米ドルという数字について:複数の情報源はJV全体の企業価値を約56億ドルと説明しており、一方でネスレの現金収入(50%の株式売却分)を約34億ドルと報じるものもあります。これらは矛盾しておらず、56億ドルはJV全体の評価額であり、ネスレはその半分を売却したことになります。
この取引は、ナブラティル氏のポートフォリオをスリム化し、複雑性を低減して、より成長の速いカテゴリーに集中するという戦略の一環です。
2026年2月、ネスレは自社で運営する残りのアイスクリーム事業を売却する計画を発表しました。CEOはこの事業を「強いが小規模」であり、「気が散るもの」と表現していました。この部門は「売却目的で保有する資産」に分類され、既存の合弁パートナーである**フロネリ(Froneri)**に売却される見込みです。フロネリは2019年にネスレの米国アイスクリーム事業を40億ドルで買収したパートナーです。この撤退は、ナブラティル氏が戦略的な集中領域として掲げる4つのコア事業(コーヒー、ペットケア、ニュートリション、フード&スナック)に経営資源を集中する方針に沿ったものです。
アイスクリーム事業の売却と並行して、ネスレは主流のビタミン・ミネラル・サプリメント(VMS)事業を「売却目的で保有する資産」に分類しました。同社はVMSポートフォリオの戦略的見直しを開始しており、ネイチャーズバウンティ、ピューリタンズプライド、米国のプライベートブランド事業などが対象となる一方、ソルガーなどのプレミアムブランドは維持される見込みです。このVMS事業の売却も、同じポートフォリオスリム化イニシアチブの一環です。
2026年1月に開始された全社的なコスト効率化プログラムは、計画を上回るペースで進んでいます。累計削減額は17億スイスフランに達し、2026年上半期だけで6億スイスフランの追加削減を達成しました。2026年の通年目標は20億スイスフランです。
このプログラムは、調達の統合、組織の合理化、標準化、自動化などを通じて、2027年末までに30億スイスフランの調達・業務効率化を目標としています。経営陣はこのプログラムを「順調」「計画をやや上回るペース」と評価し、成長のための再投資に充てるリソースを生み出していると述べています。
ネスレの2026年上半期決算は、同社が意図的な変革を実行していることを示しています。基礎となる数量は回復し(RIGは4四半期連続で加速)、コスト削減は実現しており、ポートフォリオは根本的に簡素化されつつあります。同時に、為替圧力、リストラ費用、投入コストの上昇が当面の報告ベースの利益を圧迫しています。ペラネルJV、アイスクリーム事業の撤退、VMS事業の売却は、ここ数年で最も重要なポートフォリオ再編であり、ネスレはコーヒー、ペットケア、ニュートリション、フード&スナックにその命運を賭けています。
2026年通期のガイダンスとして、ネスレは有機的成長率を3~4%と予想し、基礎営業利益率(UTOPマージン)は2025年比で改善する見込みです。