H15シリーズでは、以下の7つのシステムファミリーがラインナップされています。
イベント会場では、FlexTwinを使用した42Uラックに96基のEPYC 9006 CPUを搭載した構成や、別の42Uラックに168基のCPU(43,008の「Zen 6」コア)を搭載した、スーパーマイクロ史上最も高密度なCPUラックも展示されました。このポートフォリオは、エージェンティックAI、エンタープライズ、HPC、クラウド、ストレージといった多様なワークロード向けに最適化されており、AMD Instinct GPUやAMD Pensandoネットワーキングと連携するよう設計されています。
H15の発表と併せて、スーパーマイクロはSupermicro AMD Helios Platformも展示しました。これは、AMD Instinct MI455X GPUとVenice CPUを搭載した72GPU構成の液冷ラックスケールシステムで、1ラックあたり約525万ドルとされています。
イベントの2日前となる7月21日、スーパーマイクロは2026年度第4四半期(6月30日締め)の暫定業績速報を発表し、市場の収益性に対する見方を一変させました。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 第4四半期の新規受注 | 600億ドル超 — 過去最高の受注残を記録 |
| 第4四半期の売上高見通し | ガイダンス範囲(110億~125億ドル)の下限近く |
| GAAP/non-GAAP粗利益率 | 15~17%。従来予想の8.2~8.4%からほぼ倍増 |
| 株価の反応(時間外取引) | 即座に+16%~+27%。日中は32.28ドルまで急騰 |
みずほ証券のアナリストは、600億ドルの受注残を捌くには、スーパーマイクロの現金保有額(13億ドル)を考慮すると、多額の借入や増資が必要になる可能性があると指摘しました。しかし、粗利益率の拡大は、より高い収益性への構造的な転換点として広く受け止められました。
スーパーマイクロのチャールズ・リアンCEOは、同社がSpaceXAI(イーロン・マスク氏が統合したSpaceXとxAI) 向けに、新たなギガワット級AIデータセンターを建設する支援を行うことを確認しました。目標は2027年の稼働開始です。リアンCEOはX(旧Twitter)上で、「これまでで最速の建設になる」と述べています。このデータセンターはテキサス州に計画されており、SpaceXAIが既に保有するメンフィスの施設と同等かそれ以上の規模になると見られています。
スーパーマイクロのこの役割は、チップベンダーとのパートナーシップを超え、データセンター全体のターンキー展開を可能にする、同社のハイパースケールAI構築における統合力を示しています。この提携は、ハイパースケーラーからのAIインフラ需要の高まりとともに、600億ドルの受注急増の一因として、複数のメディアで報じられています。
スーパーマイクロのH15ポートフォリオは、同社がX15シリーズとしてもサポートするIntel Xeon 6+(Granite Rapids)ベースのプラットフォームと直接競合します。AMDベースのH15ポートフォリオには、いくつかの構造的優位性があります。
とはいえ、Intelは依然としてエンタープライズやレガシーHPCの分野で大きな設置ベースを有しており、スーパーマイクロはX15(Intel Xeon 6+)やN15(Nvidia CPU-GPU)プラットフォームも引き続き主力製品として展開しており、両陣営への対応を続けています。
今回の3つの発表は、一貫性のある成長ストーリーを形成しています。H15ポートフォリオはAMDの2nm Veniceチップによる製品リーダーシップを、600億ドルの受注残は急増するAIインフラ需要を裏付け、SpaceXとのギガワット級データセンターパートナーシップはハイパースケール向けターンキー展開を獲得する同社の能力を示しています。これらの発表は総合的に、SMCI株に数ヶ月ぶりの急激な上昇をもたらし、マルチベンダー戦略を採るAIサーバーインテグレーターとしてのスーパーマイクロの地位を改めて強固なものにしました。