判事は、12州の司法長官が申し立てた反トラスト法訴訟において、合併が「競争を不法に減少させる強い兆候」を示していると判断しました。マルティネス=オルギン判事は、7月22日までにTROをより長期間の仮差止命令(予備的差止命令)に切り替えるかどうかを判断する予定です。仮差止命令が出れば、買収は数か月にわたって延期される可能性があります。
カリフォルニア州司法長官ロブ・ボンタが主導する12州の司法長官連合は、2026年7月13日、連邦反トラスト法訴訟を提起しました。参加州は以下の通りです(情報源により一部異なりますが、カリフォルニア、ニューヨーク、コロラド、マサチューセッツは中核メンバーです):
この訴訟は、パラマウント=WBD合併がクレイトン法(独占禁止法)に違反すると主張しており、具体的には以下の点を問題視しています:
また、劇場オーナーらは別途、合併によって公開映画の本数が減少し、消費者の選択肢が狭まる懸念を表明しています。
パラマウントはこの訴訟を強く批判し、「確立された反トラスト法を歪め、今日のエンターテイメント業界の競争実態を誤認している」と声明を発表しました。同社の主な主張は以下の通りです:
SECに提出された合併契約書によると、買収が2026年9月30日までに完了しなかった場合、1株あたり1日0.00277778ドルの「チッキング・フィー(時間経過に応じた追加対価)」が発生します。このフィーは1株あたり四半期ごとに最大0.25ドルに制限されています。
複数の情報源の試算では、これはパラマウントのオーナーであるデイビッド・エリソンにとって1日あたり約700万ドル、つまり四半期あたり約6億5,000万ドルの負担となります。さらに、規制当局が最終的に合併を阻止した場合、パラマウントは70億ドルの解約料を支払う義務が生じます。
| 規制当局 | 状況 |
|---|---|
| 米国司法省(DOJ) | 承認済み(2026年6月12日)。反トラスト局は調査を終了し、SVOD(定額制動画配信)、劇場公開、その他市場において「競争を害する可能性は低い」と判断。 |
| EU欧州委員会 | 審査中。 パラマウントは2026年7月1日、救済措置を正式に提出。EUの懸念に対応するため、ユニバーサル・ピクチャーズとの映画配給合弁事業から撤退する可能性が高い。EUは救済措置評価のため新たな期限を設定(7月22日)。承認は確実視されている。 |
本件は、ハリウッド史上最大規模の買収合戦の行方を左右する重大な局面です。DOJの承認にもかかわらず、12州が連邦裁判所に直接訴えた点は異例であり、連邦と州の間での独占禁止法執行における見解の相違が浮き彫りになりました。
今後の焦点は、7月22日の仮差止命令判断、およびEUの承認手続きの行方です。もし仮差止命令が出れば、買収完了は大幅に遅れ、パラマウントには日々巨額のチッキング・フィーがのしかかることになります。さらに、この裁判は、巨大テクノロジー企業(GAFA)と伝統的メディア企業の融合の是非を問う、今後のメディア業界再編の重要な先例となる可能性があります。