このミサイルの大部分はウクライナの防空網を突破した。米国シンクタンク「戦争研究所(ISW)」も、ウクライナ防空システムが迎撃できたのはごく一部に過ぎず、キーウ当局はこれがパトリオット迎撃ミサイルの深刻な在庫不足によるものだと非難している。
攻撃の結果、キーウ市内では少なくとも1人が死亡、13~15人が負傷した。デスニャンスキー区、ドニプロフスキー区、ソロミャンスキー区、スヴャトシンスキー区、シェフチェンキフスキー区の5地区で火災と破壊が報告され、住宅、スーパーマーケット、倉庫、事務所ビル、車両、寮、鉄道インフラ施設が被害を受けた。また、ミサイル1発がルキヤニフスカ地下鉄駅に着弾し、駅構内と外部に深刻な損傷を与えた。
この7月18~19日の弾道ミサイル集中攻撃は、数週間にわたる軍事行動の激化(エスカレーション)の頂点に位置するものであり、他にも記録的な攻撃が連続して発生していた。
一連の7月攻撃を受け、ゼレンスキー大統領は防空強化を「絶対的かつ重大な最優先事項」と位置づけた。7月7~8日にトルコのアンカラで開催されたNATO首脳会議で、彼は同盟国にこう訴えた。「私たちは他のことは自分たちでできる。しかし防空に関しては、パートナーの決断が必要だ」。彼はウクライナの空を完全に守るためには25基のパトリオット・システムが必要だと具体的に求めた。また、ウクライナ国内でのパトリオット迎撃ミサイル生産ライセンスを米国に強く働きかけ、ドナルド・トランプ米大統領はNATO首脳会議で同ライセンス供与を発表した(7月10日)。
ゼレンスキー氏は、約70発の弾道ミサイルを迎撃するには少なくとも140発のパトリオット迎撃ミサイルが必要だと述べ、ウクライナには大規模攻撃を撃退するのに十分な迎撃ミサイルがないと不満を述べた。キーウはまた、約40のパートナー国に対し、既存の在庫からパトリオット迎撃ミサイルを緊急にウクライナに転送するよう要請し、後日、契約済みの納入分で補充する用意があると伝えた。
この期間、ウクライナはロシアの石油・エネルギー施設に対する自国の長距離攻撃キャンペーンを強化しており、モスクワはこれを自国の爆撃激化の明確な理由として挙げていた。
戦争研究所(ISW)は、ウクライナ軍が2026年7月上旬にかけてロシア奥深くの石油インフラと軍事資産に対する長距離攻撃を継続していることを確認している。