住民の反対の規模は歴史的な水準に達している。データセンターの建設動向を監視する「Data Center Watch」の調査によると、2026年第1四半期だけで、全米で少なくとも75件の計画(総額約1300億ドル)が反対運動により阻止または延期された。これは四半期ベースで過去最高の数字である。この流れは2025年から続いており、同年だけでも48件(約1560億ドル規模)の計画が頓挫した。バージニア州、ペンシルベニア州、ノースカロライナ州などでデモ行進が実を結び、計画を白紙撤回させた例もある。中には、データセンター計画を承認した議員のリコール(解職)運動に発展したケースも報告されている。ピュー研究所の世論調査でも、特に水と電力の莫大な消費を理由に、データセンターに対する住民の感情が広く否定的であることが確認されている。
サウスカロライナ州は米国内でも最大の火種の一つとなっており、複数の郡で建設の一時停止が決定された。
カナダで最も劇的な動きはアルバータ州で起きている。同州はデータセンターに対する前例のない課徴金制度を導入する一方、電力系統への負荷が限界に達している。
アルバータ州は、接続負荷が75MW以上の大規模データセンターに対し、コンピューターハードウェアの価値を基準に2%の課徴金を課すと発表した。施行は2026年12月31日からである。この課徴金は同州の法人所得税(8%)から全額控除可能であるため、データセンターが黒字化して法人税を支払うようになれば、実質的な追加負担にはならないとされている。さらに、自家発電などで系統から電力を購入しない施設は、0%の税率が適用される。これらの制度は、2025年12月に可決されたBill 8(規制枠組みの明確化)とBill 12(課徴金の法制化)に基づく。
カナダ通信社(The Canadian Press)が入手した政府内部文書は、カナダのデータセンターパイプラインが207億ワット(20.7GW)に達する可能性があると示唆した。政府当局はこれが「プロジェクトのスナップショット」に過ぎず、実現見込みのものではないと否定したが、問題の本質はアルバータ州の系統連携待ち行列にある。アルバータ電力系統運用者(AESO)の報告によれば、系統連携プロセスには約207億ワットのデータセンターからの接続要求が殺到している。ところが、2028年末までに適用される暫定的な大口負荷接続制限はわずか12億ワット(1,200MW)。この巨大なミスマッチが、開発にとって大きな障壁となっている。
インドでは、データセンターの急拡大が慢性的な水不足と衝突し、激しい住民反対を引き起こしている。
最も注目された抗議行動は2026年7月18日、ムンバイ郊外のターネー市で起きた。住民グループ「Wake Up Thanekar」は、アマゾン・データ・サービス・インディアが建設を進める、約23.5ヘクタール(58エーカー)の敷地に建設中の超巨大データセンター(投資額は約4500億ルピー)の敷地外で、100人以上の住民が人間の鎖を形成して抗議した。
主な懸念点は以下の通り。
ターネー市の自治体コミッショナーは住民の異議申し立てを州政府に回付し、問題は市の管轄外であるとの見解を示した。アマゾン社は、樹木伐採は有効な許可に基づくものとし、施設の冷却に飲料水は使用しないと反論している。にもかかわらず、地元選出のNaresh Mhaske下院議員は建設の中止を要求している。この抗議は全国的な傾向の一部であり、BBCが2025年11月に報じたように、インドのデータセンターブームは水資源の枯渇とエネルギー消費に関する深刻な懸念を高めている。