しかし、この停戦は長くは続きませんでした。7月初旬、イラン革命防衛隊(IRGC)が3隻の商業タンカーを攻撃したことを受け、緊張が一気に高まりました。米国はこれに報復し、2日連続でイランへの空爆を実施。海峡の航行は再びほぼストップしました。
ホルムズ海峡の通行量の激減は、この危機の深刻さを如実に示しています。
これらの数字は、ホルムズ海峡が事実上機能不全に陥っていることを示しています。港湾情報会社Kplerのデータによれば、この海峡は2026年2月28日の紛争開始以来、事実上閉鎖された状態が続いています。
IEAのファティ・ビロル事務局長は、一貫してこの危機の深刻さを警告しています。
IEAは、ホルムズ海峡の閉鎖により世界の石油供給が1日あたり最大1,400万バレル減少したと試算しています(この数字はバークレイズの分析とも一致)。戦前、この海峡は世界の石油の約20%とLNGの相当量が通過する重要なルートでした。
ホルムズ海峡の封鎖は原油価格の乱高下を引き起こしました。
米国エネルギー情報局(EIA)も、ホルムズ海峡の閉鎖が「世界の石油流通を著しく混乱させた」と認めています。
7月13日、トランプ大統領は米国がイランに対する海上封鎖を再開するとともに、ホルムズ海峡を通過するすべての貨物に対して20%の通過料を課すと発表しました。これは「米国償還料(United States Reimbursement Fee)」と名付けられました。
しかし、この発表からわずか24時間後の7月14日、トランプ大統領は一転してこの構想を撤回。「中東のリーダーたちとの極めて生産的な会談に基づき、20%の米国償還料を貿易・投資協定に置き換えることを決定した」と自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿しました。
ニューヨーク・タイムズ紙は、この方針転換について「トランプ大統領の不確実な戦略を示す一連の動きのひとつ」と評しています。国際海事機関(IMO)は、国際水域での船舶通過料に反対の立場を示していました。
この騒動は、ホルムズ海峡をめぐる米国の戦略が依然として流動的であり、国際社会の反応も複雑であることを浮き彫りにしました。
ホルムズ海峡の封鎖は、世界経済に深刻な影響を及ぼし続けています。
7月14日時点で、トランプ大統領が発表した「湾岸諸国との巨額の貿易・投資協定」の具体的な内容は明らかにされていません。この地域の安定と世界のエネルギー安全保障の回復には、依然として多くの課題が残されています。