本稿では、この作戦の詳細、搭載技術のスペック、先行して達成された画期的な救出劇、そしてイランの大規模な報復攻撃に至るまでの戦略的な連鎖を、信頼できるソースに基づき解説します。
この攻撃は、戦闘機や無人航空機も参加する大規模な一連の米軍空爆の一環として実施されました。同日の作戦では、コルセア艇の攻撃に加え、戦闘機や無人機によるイランの防空システム、沿岸レーダーサイト、ミサイル・無人機発射能力、そしてイラン革命防衛隊(IRGC)の高速襲撃艇も同時に標的とされました。
攻撃の明確な目的は、イランがホルムズ海峡で民間商船を攻撃する能力を低下させることでした。ホルムズ海峡は世界の原油海上輸送量の約5分の1が通過する戦略的な要衝であり、この作戦はその航行の自由を守るためのものと位置づけられています。
コルセアは、テキサス州に拠点を置くサロニック社が開発した**全長24フィート(約7.3m)の自律型水上艇(ASV)**です。その主要スペックは以下の通りです。
| スペック | 数値 |
|---|---|
| 全長 | 24フィート(約7.3m) |
| 最高速度 | 35ノット(約65km/h)以上 |
| 航続距離 | 1,000海里(約1,852km)以上 |
| ペイロード | 1,000ポンド(約454kg) |
この艇は、ペンタゴンの画期的な計画である**「レプリケーター」計画の一環として設計されました。この計画は、中国の台湾侵攻を抑止するため、数千機の使い捨て無人プラットフォームを迅速に配備することを目的としています。2025年12月には、サロニック社は米海軍から3億9,200万ドル(約580億円)の量産契約**を獲得しており、そのスピード感が際立っています。
実戦での攻撃からわずか1カ月前の2026年6月8日から9日にかけて、コルセア艇は全く異なる使命で歴史的な偉業を達成していました。オマーン沖のホルムズ海峡付近で撃墜された米陸軍AH-64アパッチ攻撃ヘリの搭乗員2名を救出したのです。CENTCOMはこれを、無人機がこの種の捜索救難活動に使用された初めての事例としています。
漂流する搭乗員を無人艇が発見し、彼らは艇の低い船体に這い上がりました。その後、コルセアは彼らを有人ヘリコプターが収容可能な地点まで安全に輸送。救出にかかった時間はわずか約2時間でした。複数の報道によれば、このアパッチヘリはイラン軍によって撃墜されたとされています。この救出劇により、コルセア艇は「人命救助」という全く新しい可能性を示したのです。
7月12日の米軍による無人艇攻撃の翌日、イランは調整された大規模なミサイル・無人機攻撃を、湾岸地域の米国関連施設に対して開始しました。複数の湾岸諸国が攻撃を報告し、紛争開始以来最大級の報復攻撃となりました。
IRGCは特に、クウェートのアリ・アル・サレム空軍基地とアハメド・アル・ジャベル空軍基地、さらにバーレーンとヨルダンの施設への攻撃を主張し、パトリオットシステムや燃料タンクを破壊したと発表しています。
7月12日の無人艇攻撃は、単独の出来事ではなく、数カ月にわたって構築されてきたより大規模なエスカレーションの一部でした。
この一連の出来事は、無人水上艇という新しい戦術が、いかに世界のエネルギー安全保障の要衝で実際に使用され、紛争を新たな段階に引き上げたかを如実に示しています。