2. FRBとECBの金利差拡大
ECBは2026年6月17日、預金ファシリティ金利を**2.25%に引き上げました。これは2023年以来初めての利上げでした。これにより、FRBの政策金利3.50%~3.75%とECBの2.25%の差は約125~150ベーシスポイント(bp)**に拡大しています。市場はFRBが金利を据え置くか、あるいは追加利上げを行う一方で、ECBは様子見姿勢を続けると予想しており、この金利差がドル高・ユーロ安を支える構図となっています。
3. CFTC投機ポジションの急減
投機筋のユーロポジションは2026年にかけて大きく変動しました。
この劇的なポジション変動は、年初に強かったユーロへの楽観論が、FRBのタカ派姿勢の強まりとともに急速に剥落したことを示しています。
現在、ユーロ/ドルは**「双子のタカ派(twin-hawk)」による膠着状態にあります。すなわち、タカ派のFRBと新たに利上げを開始したECBが互いを打ち消し合い、ユーロ/ドルは1.13~1.17のレンジに閉じ込められ、明確なトレンドを欠いています。アナリストは、2026年第3四半期の基本シナリオとして1.13~1.17のレンジ**を予想し、弱気ケースでは1.10、強気ケースでは1.22を想定しています。
以下の3つのイベントが、ユーロ/ドルの次の方向性を決定づけるでしょう。
7月14日:米消費者物価指数(CPI)の発表(6月分)
米労働省は日本時間7月14日夜、6月のCPIを発表します。5月のCPIは前年同月比**4.2%**と、2023年4月以来の高い伸びを記録しており、その主因はエネルギー価格の高騰でした。もし6月のCPIも高止まりすれば、FRBの利上げ観測がさらに強まり、ドル高・ユーロ安が進み、ユーロ/ドルは1.10ドルに向かう可能性があります。逆に、インフレが落ち着いた場合には、ショートカバーによる反発が起こり得ます。
7月23日:ECB理事会(97~98%の確率で金利据え置き)
ECBの政策理事会は7月23日に開催されます。予測市場ポリマーケットのオッズは、**金利据え置きの確率が約97~98%**と、ほぼ確実視されています。ECBのラガルド総裁が追加利上げに慎重な姿勢を示せば、FRBとの金利差が再確認され、ユーロは再び売られる展開となるでしょう。
7月28~29日:FOMC(米連邦公開市場委員会)
ブルームバーグ(7月8日付)は、トレーダーがFRBのタカ派姿勢の後退に備えているものの、利上げは「依然として価格に織り込まれている」と報じています。FRBが金利を据え置きつつもタカ派的なバイアスを維持すれば、ドル高は継続。サプライズ利上げとなれば、ユーロ/ドルは1.13ドルを明確に下回る可能性が高いでしょう。
イラン紛争は引き続き最大の不確定要素です。歴史的なエネルギー供給の混乱はすでに5月のCPIの4.2%という数字に織り込まれており、もし紛争が激化すれば、エネルギー価格の影響を米国よりも大きく受けるユーロ圏経済にとってはマイナス材料、つまりユーロ売りの材料となります。一部のウォール街銀行は今後12カ月以内にユーロ/ドルが1.10ドルになると予想しています。