2. 高騰する価格と燃料不足による強制的な需要破壊
海峡の閉鎖により石油の入手可能性が崩壊し、小売燃料価格は消費を押しつぶす水準にまで上昇しました。IEAは、需要破壊が「米イラン戦争で最初に最も深刻な影響を受けたセクターや地域を超えて」広がり、価格上昇と「より厳しいマクロ経済環境」が世界経済のより広い範囲に打撃を与えていると指摘しています。
3. 世界の供給崩壊
IEAは、イラン紛争により2026年の世界石油生産量は年間390万バレル/日減少し、平均約102.4mb/dになると推定しています。これは予想需要103.3mb/dを下回り、年の大半で正味の市場不足(供給不足)が生じることになります。
EIAとIEAは、2026年半ばまでに同じような需要減少の数字に収束しましたが、その出発点は大きく異なっていました。
EIAの2026年7月STEO(短期エネルギー見通し):EIAも、世界の石油需要が2026年に110万バレル/日減少すると予測しました(2025年の104.0mb/dから)。7月9日のプレスリリースでは、「2026年の世界石油需要は前年比110万バレル/日減少するが、2027年には250万バレル/日の増加が見込まれる」と発表しています
。
初期の見解の乖離:2026年5月時点では、EIAは約42万バレル/日の比較的緩やかな減少を予測しており、需要破壊の規模について当初はIEAより楽観的でした。しかし、6月に入りホルムズ海峡の閉鎖が長期化し停戦が失敗に終わると、EIAは予想を大幅に下方修正し、最終的にIEAと同じ110万バレル/日の減少に達しました
。
価格見通しの違い:両機関が同じ需要減少を予測した一方で、価格見通しには違いが見られました。IEAは2026年末まで供給不足が続くと予想したのに対し、EIAは石油およびその他の液体燃料の生産が世界需要を上回り続け、ブレント価格が2025年の1バレル=69ドルから、2026年には58ドル、2027年には53ドルへと下落すると予測しました。
結論: IEAとEIAはともに、2026年の世界石油需要が前年比110万バレル/日減少すると予測しました。これは2020年以来の年間減少です。その主な要因は、ホルムズ海峡の事実上の閉鎖、停戦の失敗、そしてそれらによる価格高騰と供給混乱が広範な需要破壊を引き起こしたことにあります。