このIPOは、2022年以来の中国最大のIPOとなり、STAR Market史上でも2番目の大型案件になると見られています。オーバーアロットメント(いわゆるグリーンシューオプション)が完全に行使された場合、調達総額は50億ドルを超える可能性もあります。
CXMTの業績は、AI需要と半導体メモリーのスーパーサイクルを背景に驚異的な伸びを示しています。
| 指標 | 2026年第1四半期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 508億元(約74億ドル) | +719% |
| 純利益 | 約250億元 | 黒字転換(前年同期は16億元の損失) |
この急成長は、AIデータセンター向け需要の急増とDRAM価格の高騰が主な原動力です。BloombergやReutersといった信頼できるメディアがこれらの数字を報じています。
2026年6月29日、CXMTは中国の巨大IT企業・テンセント・ホールディングスとの間で、総額200億元超(約29.4億ドル) のサーバー向けDRAM長期供給契約を締結したと報じられました。この情報は関係者3名の情報に基づくReutersの独占スクープであり、CXMTのIPO前における大型の商用契約として大きな話題を呼びました。
契約内容の主なポイント:
この契約により、テンセントは逼迫する全球メモリー市場において確実な供給と優位的な価格を確保し、CXMTは安定した収益の見通しを得ることになります。
CXMTとアップルの関係は、技術面と地政学面の両方で極めて注目すべき展開を見せています。
アップルはまだCXMT製チップの商用採用を決定しておらず、最終的な購入契約も結ばれていません。また、米国政府の承認も未だ得られていません。CXMTは米国防総省が指定する「中国軍事企業ブラックリスト」に掲載されており、アップルがXMT製品を採用するには米国政府の許可が必要となります。
アップルが提案する妥協案は、CXMT製チップを中国市場向け端末にのみ使用するというものです。これにより、急騰するメモリー価格への対処と、逼迫する供給網の多様化を図りつつ、米国の規制を回避する狙いがあるとされています。
SemiAnalysisのRay Wang氏は、アップルのチップテストについて「商業採用に向けた近い動きというよりは、初期段階の認定作業に近い」と分析しており、地政学的なリスクを考慮すると、CXMT製LPDDR(低消費電力DRAM)の大口採用はまだ先と見られています。
CXMTのIPOは、単なる企業の資金調達を超えた戦略的意義を持っています。
CXMTのIPO成功は、中国のテクノロジー業界にとって大きな節目となることは間違いありません。その成否は、世界の半導体市場の勢力図を大きく変える可能性を秘めています。