OpenAIは2026年2月、自社が共同開発したコーディングベンチマーク「SWE bench Verified」を廃止。内部監査で、最も難しい問題のうち少なくとも59.4%に、正しい解答を不合格とする欠陥テストケースが存在することが判明した。 廃止の理由は他にも、全 frontier モデルが訓練データ経由で問題を記憶(汚染)していたこと、そしてスコアが1年で人間のベースラインの約60%からほぼ100%に達し、モデル間の差別化が不可能になったこと(飽和)が挙げられる。

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わずか7ヶ月の間に、OpenAIは自ら推進してきた2つのコーディングベンチマークから撤退しました。2026年2月、OpenAIが共同開発し業界標準となっていた「SWE-bench Verified」を廃止。続いて同年7月、その後継として推奨していた「SWE-bench Pro」の推奨を撤回しました。この異例の連続撤退は、単なる評価ツールの不具合にとどまらず、AI業界がコーディング能力を測る方法そのものが根本的に崩壊していることを示しています。
SWE-bench Verifiedは2024年8月に公開されました。これはプリンストン大学が開発したオリジナルのSWE-benchから、実際のGitHubの Issue をもとにした500件のPythonタスクを人間が検証して選んだベンチマークです 。約18ヶ月にわたり、AIコーディングエージェントが実世界のソフトウェア問題をどの程度解決できるかを測る主要な指標として使われてきました
。
2026年2月23日、OpenAIのFrontier Evalsチームはこのベンチマークを正式に非推奨としました 。その理由は以下の通りです。
OpenAIの結論は明白でした。「SWE-bench Verifiedのスコア向上は、モデルの現実世界のソフトウェア開発能力における意味のある進歩を反映していない。むしろ、訓練時にモデルがベンチマークにどれだけ露出したかを反映するものになっている」。
そしてOpenAIは、後継としてScale AIが構築した大規模なベンチマーク「SWE-bench Pro」(プライベートリポジトリとコピーレフトリポジトリから作成)を明確に推奨しました 。
2026年7月8日、OpenAIは自らが「より堅牢」と宣伝したSWE-bench Proの詳細な監査結果を発表しました。その結果は衝撃的なものでした 。
この分析結果を受け、OpenAIはSWE-bench Proの採用推奨を撤回。業界は信頼できる後継ベンチマークを失うことになりました 。
OpenAIの二段階撤退は、単独の不祥事ではありません。これは、AI分野におけるコーディング能力評価のシステム全体を蝕む危機の一部です。
OpenAIの連続撤退——最初に自社のベンチマークを放棄し、次にその代替品を否定する——により、AIコーディング評価の世界は信頼できる指標を失いました。コミュニティでは、高いベンチマックスコアが、AIコーディングエージェントが実際のソフトウェアエンジニアリングタスクを処理できるかどうかを、もはや確実に予測しないという認識が広がっています 。タスク固有、敵対的(adversarial)、継続的に更新されるベンチマークなど、新しい評価方法論が緊急に求められていますが、まだ成熟していません
。
現時点では、AIコーディングエージェントを評価しようとする誰もが、信頼できるたった一つの基準を持っていません。SWE-bench VerifiedとSWE-bench Proの崩壊は、単に二つの欠陥のあるテストの話ではありません。それは、測定する速度よりも速くシステムを構築してしまった業界の物語なのです。
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OpenAIは2026年2月、自社が共同開発したコーディングベンチマーク「SWE bench Verified」を廃止。内部監査で、最も難しい問題のうち少なくとも59.4%に、正しい解答を不合格とする欠陥テストケースが存在することが判明した。
OpenAIは2026年2月、自社が共同開発したコーディングベンチマーク「SWE bench Verified」を廃止。内部監査で、最も難しい問題のうち少なくとも59.4%に、正しい解答を不合格とする欠陥テストケースが存在することが判明した。 廃止の理由は他にも、全 frontier モデルが訓練データ経由で問題を記憶(汚染)していたこと、そしてスコアが1年で人間のベースラインの約60%からほぼ100%に達し、モデル間の差別化が不可能になったこと(飽和)が挙げられる。
その後、OpenAIは後継として「SWE bench Pro」を推奨したが、2026年7月の監査でタスクの約30%に根本的な欠陥があることが発覚。推奨を撤回し、業界は信頼できる標準ベンチマークを失った。