CXMTは、2026年6月に米国防総省の「セクション1260H」リスト(中国軍事企業リスト)に追加されました(同時に追加された企業にはアリババ、百度、BYD、YMTCなどがあります)。 この指定は米政府調達を制限するものの、完全な取引禁止措置ではありません。
Appleはホワイトハウス、商務省、その他トランプ政権当局に対し、CXMTからの調達が将来、商務省の「エンティティ・リスト」(完全な輸出禁止を課すより厳格な規制)にエスカレーションされないよう、正式な保証(いわゆる「グリーンライト」または免除措置)を求めてロビー活動を行っています。 Appleが懸念するのは、仮に米中緊張がさらに高まった場合に、現在の調達計画が無効化されるリスクです。
アナリストのミンチー・クオ氏は、今回のCXMT調達への動きは単なるコスト削減ではなく、「悪化するAI主導の供給逼迫を乗り切るため」であり、メモリーの需給ギャップは2027年まで拡大し続けると指摘しています。
Omdiaのデータによると、CXMTの世界DRAM市場シェアは2025年第2四半期の約4%から、2025年第4四半期には7.67%に上昇。複数の情報源によれば、2026年第1四半期には約8%に達したとされています。
業績も急回復しており、2025年初頭には純損失を計上していたものの、2026年第1四半期には売上高508億元(約50.8億米ドル)、純利益330億元(約45億米ドル)と、前年同期比で売上高は約7倍に急成長しました。
特筆すべきは、CXMT関連報道の前日(6月25日)には、Apple株が6.1%も急落していたことです。これは同日、SamsungやSK hynixがAIメモリー需要の高まりで株価を急伸させたのとは対照的で、Appleがまさにそのメモリー価格高騰の影響を受けていたことを示しています。
もし承認されれば、AppleによるCXMTの採用は、西側のコンシューマーエレクトロニクス大手による中国DRAMメーカーの最大の「承認」となり、CXMTに巨額の需要をもたらし、技術開発を加速させる可能性があります。
この動きは、事実上、中国市場向けApple製品のための「中国特化型メモリーサプライチェーン」を創出することを意味します(従来のSamsung/SK hynix/Micronの供給ラインは世界市場向けに維持)。
今回の一連の動きは、米中の貿易休戦の限界を試すものとも言えます。すなわち、国家安全保障上の理由による中国半導体メーカーへの規制と、世界的な半導体不足の中での商業的需要が、両立しうるのかという問題を突きつけています。
注記: 米国防総省の1260Hリストは、対象企業が「中国軍事企業」であると指定するもので、政府調達を制限しますが、それ自体は民間企業による購入を禁止するものではありません。より厳格な規制は商務省のエンティティ・リストであり、AppleはCXMTがこのレベルにエスカレーションされないよう保証を求めているのです。