このカタログは、過去のSPTサンプルと比較して、観測深度と面積の両方で大幅な進歩を遂げています。先行するSPTpol-500dカタログ(689候補)では、赤方偏移z>1の銀河団が約21%だったのに対し、SPT-3Gはより低質量で高赤方偏移の銀河団まで到達します。2026年のこのカタログに特化した「新発見率」の詳細は未発表ですが、南極点望遠鏡が捉えたSZ効果で選ばれた銀河団の数は、これで約3倍に増加したことになります。
なお、閾値をξ=4とした場合のサンプルでは、8,892個の銀河団候補が検出されており、その純度は82%を超えると期待されています。
SPT-3Gは、遷移端センサー(TES)ボロメータのアレイを用いて、95、150、220GHzの3つのミリ波帯で空をマッピングすることで銀河団を特定します。
サニャエフ・ゼルドビッチ(SZ)効果とは、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の光子が、銀河団内の高温ガス(銀河団ガス)中の電子と衝突(逆コンプトン散乱)することで生じる、CMBのスペクトルの歪みです。SPT-3Gチームは、複数周波数のマップを比較することで、この独特なSZスペクトル信号を、原始CMBやその他の前景放射から分離します。これにより、コンプトンyパラメータマップが生成され、そこから銀河団候補が盲目的に検出されます。
このカタログは、宇宙の最も大きなスケールを研究するための強力なツールです。