従来の産業用ロボット(ISO 10218型)は、安全柵で囲まれたセル内にボルト固定されたアームである。動作範囲(キネマティックエンベロープ)は固定されており、電源を切ればその場で止まる。ところが、ヒューマノイドはこの前提をことごとく打ち破る 。
これらの独特なリスクに対応するため、国際標準化機構(ISO)は初めてヒューマノイド等を対象とする安全規格の策定に乗り出した。
新疆の蹴り事件もクパチーノのダンス暴走も、ロボットの実用化が安全規制を数年も先取りしていることを示す早期警告信号だ。ヒューマノイド特有の「転倒・圧壊」「動的な予測不能なリーチ」「電源喪失後の制御不能」というリスクは、既存の固定ロボット安全規格ではまったくカバーできない。最初の専用規格ISO 25785-1は2025年5月に開発承認されたが、発行は早くとも2028年半ば——つまり、今日すでに工場や公共空間に導入が始まっているヒューマノイドは、規格のない「空白の3年間」を運用されることになる 。